米 ミサイルや発射装置などの最新状況 ロシアへの通知を停止

アメリカ政府は、ロシアとの核軍縮条約「新START」についてロシアが一方的に履行の停止を表明したことへの対抗措置を新たに発表し、ミサイルや発射装置などの最新の状況や位置について、ロシア側への通知を停止すると明らかにしました。

アメリカ国務省は1日、ロシアがことし2月にアメリカとの核軍縮条約「新START」の履行を停止すると一方的に表明したことへの対抗措置を発表しました。

それによりますと、条約で定められた情報提供のうち今月1日から、ミサイルや発射装置などの最新の状況や位置について、ロシア側への通知を停止するとしています。

また、ロシアの査察官を関連施設に受け入れるための協力や、ICBM=大陸間弾道ミサイルとSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験を行った際の遠隔計測データの共有も停止するとしています。

一方で、ICBMやSLBMの発射実験については、事前の通知を続けるとしています。

アメリカ政府は、ことし3月、配備している核弾頭の数や運搬手段に関して、ロシア側への情報提供を停止すると表明しており、今回、対抗措置を追加した形です。

国務省は今回の措置は、ロシア側に条約の履行の停止を考え直すよう求めるためで、「ロシア側が条約を履行すれば、措置は撤回する」としています。