米と台湾 貿易の円滑化など一部分野で合意 新たな経済連携

アメリカと台湾が1年前に立ち上げた新たな経済連携の枠組みについて、「貿易の円滑化」など一部の分野で双方が合意し、第1弾の協定に署名しました。

この枠組みは、アメリカと台湾が経済連携の強化に向けて去年6月に立ち上げた「21世紀の貿易に関する米台イニシアチブ」で、双方の通商交渉を担当する部門が去年の秋から正式な協議に入っていました。

協議の対象となった12の分野のうち「貿易の円滑化」や「中小企業」など5つの分野でこのほど合意し、アメリカで1日、双方の代表が第1弾の協定に署名しました。

「貿易の円滑化」では、水際での検査を簡素化したり、電子化によって通関にかかる時間や費用を減らしたりするほか、「中小企業」では、双方が協力して中小企業のビジネスチャンスを増やし、雇用と成長を促進するなどとしています。

この枠組みは、アメリカが中国に対抗するため主導するIPEF=インド太平洋経済枠組みに台湾を加えないことの代わりとされるもので、IPEFと同様、関税の撤廃や引き下げなどは協議の対象としていません。

アメリカと台湾は今後、残り7つの分野の協議を急ぐことにしていて、台湾の蔡英文総統は「協定の内容を拡充し、将来のアメリカとのFTA=自由貿易協定締結のためにしっかりと基礎を固める」としてこの枠組みの意義を強調しています。