ことしの水産白書 ロシアの侵攻の影響が初めて主要テーマに

2日に公表されたことしの「水産白書」には、ロシアのウクライナ侵攻による水産業への影響が初めて主要なテーマとして盛り込まれ、輸入に依存せず水産物を安定的に供給できるよう養殖の拡大が重要だと指摘しています。

政府が2日の閣議で決定した「水産白書」では、ロシアのウクライナ侵攻による水産業への影響が初めて主要なテーマとして盛り込まれました。

このなかでは、国内で消費される水産物のうち、おととしの時点で、イクラやたらこはおよそ4割、ウニは3割あまりをロシアからの輸入に依存していると指摘しています。

一方、ウクライナ侵攻に対する制裁措置としてロシア産の水産物に対する優遇税率を撤回したほか、サプライチェーン=供給網が混乱したことなどでノルウェー産のサーモンなど水産物の輸入価格が上昇しているとしています。

このため白書では、食料安全保障の観点から輸入に過度に依存せず水産物を安定的に供給できるよう環境に配慮した形で養殖を拡大することが重要だと指摘しています。そのうえで政府としても輸入先の多様化や国産化に向けた支援を強化するとしていて、原料を国産に切り替えた水産加工企業の事例などを紹介しています。