ワクチン未接種職員を離れた場所で勤務させる 滋賀の消防本部

滋賀県甲賀市の甲賀広域行政組合消防本部が、おととし、新型コロナのワクチンを接種しなかった30代の職員について、感染防止対策としてほかの職員から離れた場所で勤務させていたことが分かりました。消防本部は「感染防止対策としての『業務区別』という対応だった。第三者による委員会を設けて当時の対応を検証する方針だ」などと話しています。

甲賀広域行政組合消防本部によりますと、おととし4月、当時勤務していた30代の職員が、過去にインフルエンザのワクチンで副反応が出たことを理由に、新型コロナのワクチンを接種しない意向を上司に伝えました。

これに対し消防本部は、おととし5月からほかの職員とは離れた廊下脇のスペースで勤務させたり、職場内での行動を記録して提出するよう求めたりしたということです。

さらに、消防本部は職員の名前は伏せたうえで、「ワクチン接種拒否者」にほかの職員や来庁者との接触を制限するよう求めるとする文書を作成し、周知していました。

この職員は更衣室を使うことも制限されたため、私服で勤務せざるをえなかったということです。

職員はこうした対応を求められてからおよそ4か月がたったおととし8月、依願退職したということです。

甲賀広域行政組合消防本部は「当時は顧問弁護士と相談したうえで新型コロナの感染防止対策としての『業務区別』という対応だった。第三者による委員会を設けて当時の対応を検証する方針だ」と話しています。