北朝鮮の2回目の打ち上げ踏まえ 日米・日米韓で緊密な連携確認

浜田防衛大臣は、日本を訪れているアメリカのオースティン国防長官と会談し、北朝鮮が軍事偵察衛星の2回目の打ち上げを速やかに行うとしていることを踏まえ、日米や日米韓3か国で緊密に連携して備えていく方針を確認しました。

浜田防衛大臣は6月1日午前、アメリカのオースティン国防長官と防衛省で会談しました。

冒頭、浜田大臣は、「きのう、北朝鮮が弾道ミサイルの可能性があるものを発射したが強く非難する。さらなる発射を行う可能性がある中で日米、日米韓の連携を強化していく必要がある」と述べました。

これに対しオースティン長官は、「アメリカ軍と自衛隊は引き続き、肩を並べて日本を防衛し、地域における平和と抑止を強化し、ルールに基づく国際秩序の維持に取り組んでいく。日米同盟を今後もさらに強化していく」と述べました。

会談で両大臣は、北朝鮮が軍事偵察衛星の2回目の打ち上げを可及的速やかに行うとしていることを踏まえ、弾道ミサイルの可能性があるものが再び発射される場合に備えて、日米や日米韓3か国で緊密に連携していく方針を確認しました。

また、日本が保有を決めた「反撃能力」の効果的な運用に向けて、日米同盟の役割や任務の分担に関する議論を引き続き、進めていくことになりました。

さらに浜田大臣は、アメリカの核戦力と通常戦力の抑止力によって日本を守る「拡大抑止」について率直に議論を行う重要性を伝え、オースティン長官も同意しました。

浜田大臣は会談のあとの共同記者会見で、「きのうの北朝鮮の発射を含め、日米双方の認識を共有した。北朝鮮の挑発行動に対して一致して迅速に行動できるよう緊密に連携していくことを確認した」と述べました。

米オースティン国防長官「必要なあらゆる措置をとる」

オースティン国防長官は、浜田防衛大臣との会談のあとの記者会見で、北朝鮮が初めてとなる軍事偵察衛星を打ち上げ、失敗に終わったことに関連して、「継続的な挑発行為だ」と非難するとともに、「アメリカは、国土の安全と同盟国の防衛を確かなものにするため、必要なあらゆる措置をとる」と強調しました。

このほか、6月2日からシンガポールで開かれる「アジア安全保障会議」に合わせて、アメリカ側がオースティン長官と中国の李尚福国防相との会談を打診し、中国側が拒否したことについて、「残念だ」と述べました。

そのうえでオースティン長官は、「私は中国側の軍の指導部と関わる、いかなる機会も歓迎する」と述べ、引き続き対話を模索していく考えを示しました。