ゼレンスキー大統領 反転攻勢向けオデーサ州視察 作戦協議か

ウクライナのゼレンスキー大統領は反転攻勢を近く開始する考えを示す中南部オデーサ州を視察し、今後の作戦について協議したものとみられます。
一方、ロシア国内で攻撃が相次ぎ、プーチン政権は神経をとがらせているものとみられます。

ウクライナ大統領府は5月31日、ゼレンスキー大統領が南部のオデーサ州を視察して地元の当局や軍の司令部の代表と会議を行ったと発表しました。

この中でゼレンスキー大統領は現地の司令官から作戦や任務遂行の準備状況について報告を受けたとしていて、領土の奪還に向けた反転攻勢を近く開始する考えを示す中、南部での今後の作戦について協議したものとみられます。

一方、ロシアでは南部のクラスノダール地方にある燃料貯蔵施設で31日火災が発生し、地元の知事は無人機による攻撃を受けたとみられるとSNSで明らかにしました。

またウクライナと国境を接する西部のベルゴロド州の知事は、ウクライナ軍の攻撃が相次ぎ死傷者が出るなど被害が広がっているとして、隣接する州に子どもたちを避難させるとSNSに投稿しました。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に「現地の状況は極めて憂慮すべき事態だが、対策は講じられている」としています。

さらに、ロシア国防省が30日に8機の無人機が首都モスクワなどに攻撃を仕掛けてきたと発表したことに関連して、一部の独立系メディアは、エリート層が住みプーチン大統領の公邸もあるモスクワ郊外の地域も狙われたとして「大統領や側近たちに対する心理的な攻撃だった」とする見方を伝えています。

プーチン大統領は30日「防空システムは改善の余地はあるが機能した」と主張しましたが、プーチン政権が事態のわい小化に努めているといった見方も出ていて、神経をとがらせているものとみられます。