菅前首相 ユン大統領と会談 北朝鮮発射受け緊密連携重要性確認

自民党の菅前総理大臣は31日午後、訪問先の韓国・ソウルで、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領と会談し、31日朝の北朝鮮による発射を受けて、両国が緊密に連携していく重要性を確認しました。

ことし3月に日韓議員連盟の会長に就任した菅前総理大臣は、31日から会長として初めて韓国を訪問しています。

そして午後、ソウルの大統領府を訪れ、ユン・ソンニョル大統領とおよそ40分間、会談しました。

菅氏によりますと、会談では、31日朝の北朝鮮による発射をめぐって意見を交わし、日韓両国やアメリカを含めた3か国で緊密に連携していく重要性を確認したということです。

また、拉致問題の解決に向けた理解と協力を求めたのに対し、ユン大統領が改めて支持する考えを示したということです。

そして、菅氏は、岸田総理大臣とユン大統領の相互訪問などによって、日韓関係は改善の軌道に乗ったという認識を示したうえで、議員連盟の会長として、みずからも努力していきたいと伝え、ユン大統領も賛同したということです。

会談のあと、菅氏は記者団に対し「北朝鮮への対応については、日韓議員連盟としても、両国政府の取り組みをしっかりと後押ししていきたい」と述べました。

ユン大統領「両国関係は完全な回復を成し遂げた」

韓国大統領府によりますと、ユン・ソンニョル大統領は、自民党の菅前総理大臣との会談で、「この2か月間に3回の首脳会談を通じて、両国関係は完全な回復を成し遂げた。価値と利益を共有する両国が、安全保障、経済、技術分野での協力を具体化しつつ、国際社会の多様な課題に、共に対応していくべきだ」と述べました。

そのうえで、「宣言やことばだけでなく、実行を通じて、韓日関係改善の恩恵を国民が体感できるよう一緒に努力しよう」と呼びかけました。

これに対し、菅氏は、ユン大統領が就任してからの1年間に起きた日韓関係の変化は大統領の強力なリーダーシップと決断がなければ起こりえなかったと指摘し、さまざまな分野で関係改善の成果が広がるよう、議員連盟レベルで努力する考えを伝えたということです。