台風2号 あす~あさって沖縄接近へ 西~東日本も大雨のおそれ

大型で強い台風2号は6月1日から2日にかけて沖縄地方にかなり接近する見込みで、暴風や高波、それに大雨に警戒が必要です。台風周辺の湿った空気が流れ込んで前線の活動が活発になるため、1日以降、西日本と東日本でも大雨となるおそれがあります。
最新の情報を確認し、早めの備えを進めてください。

気象庁によりますと、大型で強い台風2号は午後11時には沖縄県の宮古島の南210キロの海上を1時間に10キロの速さで北へ進んでいるとみられます。中心の気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心の165キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。

沖縄県の先島諸島の全域と沖縄本島地方の一部が台風の強風域に入り、先島諸島では風がしだいに強まっています。

▽午後7時すぎには
新石垣空港で31.4メートル、
▽午後6時半すぎには
宮古島市平良で30.7メートルの
最大瞬間風速を観測しました。

また先島諸島と沖縄本島地方の海上は大しけとなっています。

【沖縄は暴風 猛烈なしけ警戒】

今後の見通しです。

台風は1日にかけて北上し、その後、進路を東へ変えると予想され、暴風域を伴ったまま
▽1日の明け方から昼前にかけて先島諸島に、
▽2日の午前中に沖縄本島地方に最も接近する見込みです。

台風が近づく沖縄地方では1日から2日にかけて猛烈な風が吹き、鹿児島県の奄美地方でも2日は暴風となる見込みです。

沖縄地方では1日にかけての最大風速が30メートル、最大瞬間風速は45メートルと予想され、2日は最大瞬間風速が40メートルから60メートルに達する見込みです。

飛んでくるものでけがをしたり走っているトラックが横転したりするおそれがあります。

海上は波が高い状態が続き、先島諸島と沖縄本島地方では1日と2日、鹿児島県奄美地方では2日、9メートルの猛烈なしけが予想されています。

台風の接近により、雨も強まります。

沖縄地方では2日にかけて雷を伴い1時間に50ミリの非常に激しい雨が降る見込みで、1日夕方までの24時間に降る雨の量は多いところで150ミリ、2日夕方までの24時間に100ミリから200ミリと予想されています。

気象庁は暴風や高波に警戒し、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、落雷、突風に十分注意するよう呼びかけています。

【台風から離れていても 西日本~東日本 大雨のおそれ】

台風から離れた西日本や東日本でも大雨のおそれがあります。

1日から6月3日の土曜日ごろにかけて本州付近に停滞する梅雨前線に向かって台風周辺の湿った空気が流れ込むため、前線の活動が活発となる見込みです。

1日夕方から2日夕方までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで
▽四国で200ミリから300ミリ、
▽近畿と東海で100ミリから200ミリ、
▽中国地方と北陸、関東甲信で100ミリから150ミリと予想されています。

その後の24時間にはさらに
▽近畿と東海、関東甲信で100ミリから200ミリ、
▽四国で100ミリから150ミリ
▽中国地方で50ミリから100ミリ、
▽北陸でおよそ50ミリの雨が降る見込みです。

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水などに警戒するよう呼びかけています。

最新の情報を確認するとともに、ハザードマップで自宅や学校、勤め先の周りの災害のリスクを確認するなど、雨が強まる前に早めの備えを進めてください。

沖縄 与那国島では生活に影響

台風2号の接近に伴い沖縄県の与那国島では島民の生活に影響が出ています。

与那国町に本社を置き石垣市の石垣港と久部良漁港を結ぶフェリーを週に2往復運航する福山海運によりますと、30日、石垣港を出港する予定だった便が高波の影響で欠航しました。

さらに2日、石垣港を出港する便の欠航も決まっています。

この影響で与那国町では生鮮食品を中心に品不足になっていて、島の商店の中には卵の購入制限を行っているところもあります。

この店では生鮮食品以外の日持ちする食材などを事前に多めに仕入れたり、島で生産している野菜の仕入れを増やしたりする対策をとったということです。

従業員の女性は「船が来ない状況ですので、葉物野菜は、もう売り切れています。欠品が出始めているので早く台風が去ってほしいです」と話していました。

また、観光業にも影響が出ています。

与那国町観光協会の入米蔵享局長代理によりますと、参加者が10人ほどの団体ツアーを中心に今月下旬に入ってキャンセルが相次いでいるということです。

入米蔵局長代理は「台風の進路の状況を見ながら前もってキャンセルしているのかなという感じです。風も強くなってきているので平常時に比べると減っています」と話していました。

宮古空港 31日午後発着の便で欠航相次ぐ

沖縄県宮古島市の宮古空港では、31日午後に発着する多くの便の欠航が決まっています。

この影響でふだんは混み合っているロビーも利用客は少なく閑散としていました。

また、ものが飛んできてもガラスが割れないように一階の窓や出入り口のドアの前にネットがかけられていました。

大阪から観光で宮古島を訪れた60代と70代の夫婦は「宮古島に初めて来ました。海を回りたかったですが厳しいと思うので動ける範囲で観光したいと思います」と話していました。

観光で訪れた20代の東京の女性は「本当は午後7時の便で帰る予定でしたが早めました。もっと長くいたかったです」と話していました。

沖縄本島に帰る50代の会社員は「もう少し遅い便で帰る予定でしたが欠航が決まったので急いで便を早めました。沖縄本島に帰ったあとも時間差で台風が来ると思うので対策をとろうと思います」と話していました。

宮古島 スーパーで一部商品が品切れ

台風2号の接近に伴って、沖縄の宮古島ではスーパーで一部の商品が品切れになるなど市民生活に影響が出始めています。

宮古島市内にあるスーパーでは31日午後2時半ごろにはパンの棚から菓子パンなどほとんどの商品がなくなっていました。

また、日持ちするインスタント麺やレトルト食品を中心に品切れが目立ち始めています。

担当者によりますと台風に備えて先週から入荷を増やし、およそ1週間分の商品を備蓄していたものの足りない商品が出始めているということです。

台風が通過し商品を運ぶ船便の運航が再開したあとは、ほとんどの食料品がそろう見込みだということですが、県外から輸送される一部の商品は入荷までさらに1週間から2週間程度かかるものもあるということです。

地元の40代の女性は「あすの分の食料品がとりあえず確保できればと思い、買い物に来ました。カップ麺などが少なく感じました」と話していました。

買い物に訪れた40代の男性は「肉とか食べ物を購入しました。台風のあと、船が入らなくて食糧が不足したりするので3、4日分買い込みました」と話していました。

60代の女性は「一部の商品がいつもより少なかったと感じました。皆さん、台風対策で食品を買って準備していると思いました」と話していました。

那覇 強風などへ備え進める 那覇空港 欠航も

台風の接近に備えて那覇市の中心部では強風などへの備えが進められています。

那覇市の県庁近くの歩道では31日午後、作業員たちが花壇の植え込みが強風で飛ばされたり傷ついたりしないようネットをかけて固定する作業を行っていました。

国際通りでは31日午後の時点では閉店する店はみられず、修学旅行の学生などの姿がみられました。

ガラス製品などを扱う土産物店では強風による飛来物で窓ガラスが割れないよう段ボールを貼って補強していました。

土産物店の40代の女性は「旅行客が来ていて稼ぎ時なので、店の営業をしながら台風の対策をしなければなりませんがしかたがないです」と話していました。

那覇空港 欠航便も

那覇空港では台風の影響で欠航する便を知らせる掲示がロビーに張り出されていました。

各航空会社は欠航が決まった便の振り替え便を受け付ける専用カウンターを設けていて、手続きを行う利用客の列ができていました。

東京から仕事で来ていたという50代の男性は「あすの便で帰る予定が欠航になったので、きょうの便に変更する手続きに来ました。時期的に台風は大丈夫だろうと思っていましたが、天候のことなのでどうしようもできません」と話していました。

宮崎県から仕事で訪れていたという30代の男性は「あす乗る予定の便が欠航になってしまいましたが、仕事があって休むと大変なので、なんとかきょうの便に振り替えました」と話していました。

1日 新石垣空港 宮古空港 久米島空港 全便欠航

台風2号の接近に伴い、1日は新石垣空港と宮古空港、久米島空港を発着するすべての便の欠航が決まりました。

このうち新石垣空港と宮古空港のターミナルビルは1日は終日、閉館することになりました。

久米島空港のターミナルビルは飛行機の運航状況にかかわらず、久米島に暴風警報が発表された1時間後をめどに閉館することになっています。