スリランカ 前政権が破棄した鉄道計画 復活に向け日本と協議へ

スリランカ政府は、日本の支援で建設を予定していたものの、前政権が一方的に破棄していた鉄道の建設計画について、復活に向けた協議を日本側と始める方針を明らかにしました。

この計画はスリランカ最大の都市コロンボの渋滞解消のため、日本の円借款などを利用しおよそ2500億円をかけて鉄道を整備するものでしたが、2020年に当時のラジャパクサ大統領が計画を一方的に破棄していました。

これについてスリランカ政府の報道官は30日、日本政府と計画の復活に向けた協議を始める方針を閣議決定したと明らかにしました。

スリランカは中国への多額の債務を返済できずに権益の譲渡などを迫られる、いわゆる「債務のわな」に陥った国の典型例とされ、経済危機に見舞われています。

債務問題の解決に向けて、先月には日本などが主導する形で債権国が返済条件の変更などを協議する新たな枠組みが発足していて、鉄道の建設計画に関する協議は債務問題に関する協議にめどがついた後に行われることになるとみられます。