【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(31日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる31日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領の公邸もある地域でも無人機攻撃か

ロシア国防省が30日、8機の無人機がロシアに飛来し、攻撃を仕掛けてきたと発表したことに関連して複数の現地メディアは、攻撃はモスクワ市内だけでなく郊外にある西部の地域にも集中していたと伝えています。

このうち、一部の独立系メディアは、エリート層が住みプーチン大統領の公邸もあるモスクワ郊外の地域も狙われたとして「プーチン大統領や側近たちに対する心理的な攻撃だった」とする見方を伝えています。

そのうえで「首都に対する最大規模の無人機攻撃だったが国営テレビは、建物への損傷はわずかだったとか無人機は撃墜されたなどと強調している」としてプーチン政権は、事態のわい小化に努めるなど、神経をとがらせているとしています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も30日、実際に飛来した無人機は32機に上り、モスクワ州の高級住宅街やプーチン大統領の公邸がある地域を狙った可能性があるとするロシアメディアの報道などをもとに事態の推移を伝えています。

イギリス国防省 “戦況の主導権 ロシアからウクライナに”

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は30日、ロシア軍にはさらに報復するうえでの余力がないという見方も示しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は領土奪還に向けた反転攻勢を近く開始する考えを示しています。

イギリス国防省は31日「5月以降、戦況の主導権が一層、ロシアからウクライナに移っている」と指摘しました。

そのうえで「ロシアは今月だけで20日間も無人機やミサイル攻撃を行い、ウクライナの防空網を無力化し、反転攻勢の部隊を破壊しようとしたが、ほとんど成功していない」と分析しています。

首都キーウで攻撃 1人死亡 11人けが

ウクライナでは、ロシア軍が連日にわたって首都キーウに対する無人機やミサイルによる攻撃を繰り返し、30日も無人機による攻撃が行われました。

ウクライナ空軍は、31機のうち29機を迎撃したと発表しましたが、撃ち落とされた無人機が集合住宅に衝突して爆発するなどの被害が出て、キーウのクリチコ市長によりますと、1人が死亡、合わせて11人がけがをしたということです。

無人機が衝突した集合住宅で妻と2歳の息子とともに暮らす男性は「とても怖かった。人々が寝ているところに攻撃するなどひどい」と話していました。

モスクワ近郊で無人機

ロシアの首都モスクワや近郊でも30日、複数の無人機が飛来し、国防省は8機が攻撃を仕掛けてきたと発表しました。

いずれも撃墜したとする一方、モスクワ市長などによりますと、複数の集合住宅で被害が出て、2人がけがをしたということです。

プーチン大統領「われわれを挑発」

ロシアのプーチン大統領は30日、視察先の展示会場で質問に答える形で「ウクライナの政権は住宅への攻撃でロシアや国民を威嚇する道を選んだ」と述べ、具体的な根拠は示さずに、ウクライナによる攻撃だと主張しました。

そのうえで「鏡のような行動をとるようわれわれを挑発しているようだ。どう対処するかはこれからだ」と述べ、何らかの対抗措置をとることを示唆しました。

ウクライナの大統領府顧問「われわれには関係ない」

ウクライナのポドリャク大統領府顧問は地元メディアに対して「興味のない出来事だ。当然われわれには直接関係がない」と述べ、関与を否定しました。

米国務省「ロシア領土への攻撃は支持しない」

アメリカ国務省の報道担当者は30日「情報を収集中だ」としたうえで「一般論として、われわれはロシア領土への攻撃は支持しない。われわれは、ウクライナが主権を有する領土を取り返すために必要な装備や訓練を提供することに注力してきた」として緊張がこれ以上高まることは避けたいという立場を示しました。

一方で「ウクライナに対するこの不当な戦争を始めたのは、ロシアだ。ロシアが部隊を撤退させれば、いつでも、この戦争を終わらせることができる」として、ロシアに対し一刻も早く部隊を撤退させるよう求めました。