ウクライナ公共放送がNHKで非常時のバックアップ体制など研修

ロシアによる軍事侵攻が続く中、ウクライナの公共放送の幹部がNHKを訪れ、非常時でも放送が継続できるようバックアップ体制の整備や地域局との連携について研修を受けています。

29日は、ウクライナ公共放送のミコラ・チェルノティツィキー会長が東京 渋谷の放送センターで記者会見し「侵攻が始まってから、私たちは全力を尽くし世界の人々にウクライナで起きていることを正しく伝えるようにしている」と述べました。

ウクライナ公共放送は、国営テレビや地域の放送局などを統合して6年前に設立されました。

去年3月には、本部がある首都キーウのテレビ塔がロシア軍に攻撃されたため、ウクライナ西部に一時的に拠点を移し放送を継続しました。

チェルノティツィキー会長などウクライナ公共放送の幹部5人は、首都直下地震などの大規模災害が発生しても確実に放送が届けられるようバックアップセンターとして体制を強化している大阪拠点放送局を視察するほか、緊急報道の際の本部と地域局との連携について来月2日まで研修を受けるということです。

ウクライナ公共放送によりますと、ロシア軍に占領されていた地域では、記者の取材が何が起きているのかを知る唯一の手だてだったということで、チェルノティツィキー会長は「地方からの情報発信がとても大切だと実感した。大都市だけでなく、州の中心や町にも1時間以内で記者が向かえる体制を整えたい」と話していました。