Bリーグ 琉球ゴールデンキングスが初優勝 ファイナルで連勝

バスケットボール男子のBリーグは、チャンピオンシップファイナルの第2戦が行われ、琉球ゴールデンキングスが88対73で勝って、千葉ジェッツに2連勝とし、Bリーグ初優勝を果たしました。

2勝したほうが、今シーズンのチャンピオンとなるBリーグのチャンピオンシップファイナルは、2回の延長にもつれる接戦を制し、初優勝に王手をかけた琉球と、2シーズンぶりの優勝を目指す千葉による第2戦が行われました。

試合は、第1クオーターの始めから両チームがスリーポイントシュートで得点を重ねる展開となりましたが琉球が徐々に、持ち味のゴール下の高さを生かしアレン・ダーラム選手などが得点を重ねて、24対14と10点のリードを奪いました。

あとがない千葉は第2クオーター、キャプテンの富樫勇樹選手を中心に、攻撃を組み立てますが、チームが得意とするスリーポイントシュートが決まらず、琉球が40対31とリードを守って折り返しました。

第3クオーターに入ると、千葉は富樫選手やキャビン・エドワーズ選手のスリーポイントなどで一時、逆転しますが、コー・フリッピン選手のスリーポイントですぐにリードを奪い返し、琉球の3点リードで第4クオーターに入りました。

第4クオーターは琉球がペースをつかむと、フリッピン選手がスリーポイントやスピードを生かしたドライブなどで、このクオーターだけで13得点を挙げる活躍を見せて千葉を突き放しました。

最後までゴール下の強さを発揮した琉球が88対73で千葉に勝ち、チャンピオンシップファイナル2連勝として、Bリーグ初優勝を果たしました。

琉球が41%を超える高確率でスリーポイントシュートを決めたのに対し、千葉は28%に抑えられ、琉球のディフェンスを崩せませんでした。

琉球 クーリー「ファンとの一体感うれしい」

19得点16リバウンドをマークして勝利に貢献した琉球ゴールデンキングスのジャック・クーリー選手は「リバウンドを取ることが自分の仕事だ。チームの助けになることに全力を注いだ。どの選手が出てもすばらしいプレーで勝利に貢献できたことを誇らしく思っている。会場に来てくれた沖縄のファンとの一体感をうれしく思う。ありがとう」と話していました。

琉球 岸本「沖縄にとってもすごく意味のある優勝に」

琉球ゴールデンキングスの岸本隆一選手は試合後の会見で「やっとここまでたどり着けてすごくうれしい気持ちでいっぱいだ。自分たちにとっても沖縄にとってもすごく意味のある優勝になったと思う」と感謝の思いを話していました。

今回の優勝については「目標に届かない思いをずっとしてきたので、自分たちの信じるスタイルを信じ続けた結果、優勝に手が届くことをほかのチームに対しても証明できたと思う。まだ実感はないが、今から部屋に戻って沖縄に帰って、実感できるようにかみしめていきたい」と話し笑顔を見せていました。

琉球 桶谷大ヘッドコーチ「会場が本拠地みたいだった」

また、桶谷大ヘッドコーチは「会場が本拠地の沖縄アリーナみたいだった。ありがとうございます」とファンに感謝を伝えました。

そのうえで「ことしの千葉ジェッツは間違いなく史上最強のチームでそれを打ち破るために自分たちが100%の力を発揮しないと勝てないというところでゲームプランどおり選手たちは本当に頑張ったと思う」と選手たちをたたえました。

そして「年間を通してチームで戦うことをやってきて、それがファイナルで出たので感無量だ。バスケットを通して地域のみんなと沖縄を元気にするという存在意義がある中で、沖縄に優勝トロフィーを持って帰ることがすごくうれしい」と喜びを口にしていました。

千葉 富樫「ファイナルまで戦えたこと 誇りに思う」

敗れた千葉ジェッツのキャプテン、富樫勇樹選手は試合後の会見で「ファイナルで敗れるのは、もちろん悔しい思いもあるが、今シーズンやってきたことを誇りに思うし、長いシーズン、チームメイトと助け合いながらファイナルまで戦えたことを誇りに思う」と振り返りました。

そのうえで「僕たちがここまで熱くプレーできるのは応援してくれる人がいるからだ。Bリーグやバスケットボールが大好きなファンがつめかけてくれて、応援してくれたおかげでこの雰囲気ができていると思うので皆さんに感謝したい」とファンへの感謝を口にしていました。

Bリーグ制覇 地元・沖縄のファンにとって“悲願”

Bリーグ7年目のシーズンで、初優勝をつかんだ琉球ゴールデンキングス。

リーグ屈指の人気を誇りこれまで西地区を6年連続で制してきたチームにとって、Bリーグ制覇はチームのみならず、地元、沖縄のファンにとって“悲願”でした。

毎年のように、リーグ制覇を期待されながら頂点には届かず、昨シーズンは初めてファイナルまで進出したものの2連敗で涙を飲みました。

頂点まであと一歩届かないもどかしさを抱えるチームの背中を押してくれたのは、長年優勝を待ち望んだファンの存在でした。

チャンピオンシップファイナルの第2戦、会場となった横浜アリーナの観客数はリーグ史上最多の1万3657人。

このうち、沖縄から駆けつけた人の数は2190人に上りました。
桶谷大ヘッドコーチが「本拠地の沖縄アリーナみたいだった」と話すほどホームのような声援を受けた琉球。

沖縄県内外から集まった大勢のファンは大声援でチームをもり立てました。

沖縄出身で、チーム在籍11年目の岸本隆一選手は「大勢の人たちが横浜アリーナに来て自分たちを後押してくれたのはすごく力になった。沖縄や全国各地から応援してくれた人がいたと思うし、優勝を成し遂げてうれしいが、自分たちと同じくらい喜んでくれる人がいたということに、価値を見いだしている。恩返しというとおこがましいがそういう気持ちもあってすごく感謝している」と感謝を口にしていました。

そのチームが“悲願”を果たすために倒さなければならなかったのが、桶谷ヘッドコーチが「史上最強のチーム」と評価する千葉ジェッツでした。

53勝7敗と圧倒的な勝率を誇り、リーグ記録となる24連勝を果たすなど今シーズンの千葉は隙のない戦いを見せてきました。

その千葉を倒すために琉球が用意したゲームプランは相手の持ち味を消しつつ自分たちの強さを発揮することでした。

最も警戒していたのはリーグ最強の得点力を持つ千葉の得点源となるスリーポイントシュートでした。

千葉のエース、富樫勇樹選手などスリーポイントを得意とする選手たちを徹底的にマークし、自由にシュートを打たせませんでした。

その結果、レギュラーシーズンは成功率35%を誇った千葉のスリーポイントを第1戦は21.6%、第2戦は28.1%に抑え込みました。

桶谷ヘッドコーチは試合後、「富樫選手に対しては2点は決められてオーケーとして、3点を簡単に取らせない戦術を使った。富樫選手がスリーポイントを決める確率が高い場所から遠ざけて簡単に気持ちよく打たせなかったところがディフェンスでよかったところだと思うし、まさしくこれが勝因だと思っている」と戦術に胸を張りました。

ディフェンスで相手の持ち味を消すとともに、自分たちの強みであるゴール下ではジャック・クーリー選手やアレン・ダーラム選手などインサイドの選手が力を発揮しました。

リーグ最多のリバウンド数が自慢のチームは第1戦で60対51、第2戦も42対32とリバウンドで相手を上回り、試合の主導権を握りました。

地元、沖縄の後押しと考え抜かれた戦術によって琉球は“悲願”のBリーグ初制覇を果たしました。