ロシア軍が破壊の住宅 再建進まず ボランティアががれき撤去

ウクライナの首都キーウ近郊ではロシア軍に破壊された住宅の再建が1年以上たっても進まず、多くの人が避難生活を続けています。こうした中、各国から集まったボランティアががれきの撤去などを手伝う活動が広がっています。

キーウ近郊の地域では、去年2月から3月にかけて首都に迫るロシア軍とウクライナ軍との間で激しい戦闘となり、多くの住宅が破壊されました。

1年以上たった今も壊れた住宅の解体や撤去は進んでおらず、家を失った人々の生活の再建が大きな課題となっています。

このうちキーウ近郊の村ホレンカでは27日、ウクライナの市民団体の呼びかけで、ボランティアおよそ50人が住宅の解体作業を行いました。

参加者の中にはアメリカやオーストラリアなどから来た人もいて、散乱したレンガを拾ったり一部だけ残った壁をハンマーで崩したりして、次々とがれきを運び出していました。
作業が行われた住宅で暮らしていたハンナ・コストワさんは、砲撃を受けた前日に避難していて無事でしたが、いまもキーウ市内の友人の家に身を寄せているということで「夫の子どものころの写真など全部焼けてしまいました。一刻も早く家族でここに戻りたいです」と話していました。

また、アメリカから来たボランティアの男性は「前線での攻撃などの映像はたくさん見ましたが、この活動でこうした住宅街でも大きな被害が出ていることがわかりました。少しでも役に立ちたいです」と話していました。