“ロシアが原発でみずから攻撃行う可能性” ウクライナが警戒

ウクライナ国防省は、ロシア軍が占拠している原子力発電所でみずから攻撃を行い、ウクライナ側に責任を負わせる可能性があると発表しました。根拠は示していないもののウクライナ側の反転攻勢を阻止するねらいがあると主張していて、ロシア側の挑発行為を警戒しています。

ウクライナ国防省の情報総局は26日、ロシア軍が占拠を続けている南部のザポリージャ原子力発電所をめぐり「ロシア側が敷地をみずから攻撃した上で放射性物質が漏れたとしてウクライナ側に責任を負わせようと準備している」と発表しました。

具体的な根拠は示していませんが「国際社会が詳細な調査を行うよう挑発し、その間に部隊を再編成してウクライナの反転攻勢を阻止することをねらっている」として、ロシア側の挑発行為を警戒しています。

領土の奪還を目指したウクライナの反転攻勢をめぐっては、ウクライナ軍のザルジニー総司令官が27日、SNSで「奪還するときがきた」とするメッセージを投稿したほか、ザポリージャ州ではウクライナ軍がすでに軍事作戦を進めているともみられています。

一方、ウクライナと国境を接するロシア西部などで攻撃が相次いでいることについて、ロシアの治安機関FSB=連邦保安庁で国境警備を担う高官は27日に国営のタス通信が伝えたインタビューで「ウクライナ側の破壊工作などで脅威が強まっている」と主張しました。

そして去年2月以降、輸送や電力インフラなどに対する攻撃が2000件以上、記録されているとした上で、大統領の指示で対策の強化を講じていると強調し、プーチン政権が国境で相次ぐ攻撃に神経をとがらせていることをうかがわせています。

ウクライナ ドイツに巡航ミサイル供与求める ドイツ国防省

ドイツ国防省の報道担当者は27日、ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナから射程およそ500キロの巡航ミサイルの供与を求められていることを明らかにしました。

供与を求められているのは、ドイツ軍が保有する「タウルス」と呼ばれる空中から発射する巡航ミサイルです。

報道担当者は要求に応じるかは明らかにしていません。

ウクライナに対しては、イギリスが、射程が250キロ以上と長い高精度の巡航ミサイル「ストームシャドー」を供与しています。

ドイツは、ウクライナに主力戦車「レオパルト2」を供与するなど軍事支援を強化していますが、ショルツ首相は、今月の記者会見で巡航ミサイルを供与する用意があるか問われた際に明言を避けるなどしていて、ウクライナからの求めを慎重に検討するものとみられます。