“東京での選挙協力解消” 自公連立の行方は 27日も発言相次ぐ

次の衆議院選挙に向けた自民・公明両党の候補者調整で、公明党が東京での自民党との選挙協力を解消する方針を決めたことに対し、自民党内には強い反発もあり、およそ20年にわたる連立政権への影響を懸念する声も出ています。
両党の関係はどうなるのか。27日も発言が相次ぎました。

公明「東京では自民に協力しない」25日決定 来週改めて両党会談

次の衆議院選挙から適用される小選挙区の「10増10減」に伴う、自民・公明両党の選挙区調整で、公明党は25日、焦点となっている「東京28区」への擁立を断念したうえで、東京では自民党の候補者に推薦を出さない方針を決定し、自民党に伝えました。

自民党の茂木幹事長と国会内で会談した公明党の石井幹事長は「これまでの協議で東京における自公の信頼関係は地に落ちたと言える」と指摘しました。

茂木氏は公明党の方針について持ち帰って検討したい考えを示し、来週、再び会談することになりました。

【27日も発言相次ぐ】

公明 石井幹事長「自公の協力関係をやめるのは東京に限った話」

公明党の石井幹事長は27日、埼玉県三郷市で街頭演説し、「自公の協力関係をやめるのは東京に限った話だ。ほかの46道府県では引き続きしっかりと協力し、政権を運営していく」と強調しました。

菅前首相「お互いが配慮して意思疎通を図っていく必要がある」

自民党の菅前総理大臣は27日、秋田市での視察後記者団に対し「大変残念な現状だ。自公の信頼は政治の安定につながる。まして、自民党はいま、参議院で単独過半数を持っていないので、お互いが配慮して意思疎通を図っていく必要がある」と述べました。

また菅氏は、与野党から衆議院の早期解散論が出ていることについて「子どもや安全保障などの問題を一つ一つ確実にやり遂げていかなければならない中で、解散・総選挙は、政治と行政の空白を生むことになるので、そのような時期ではない」と述べて、否定的な見解を示しました。

自民 森山選対委員長「連立枠組み 揺らぐことないと思っている」

自民党の森山選挙対策委員長は27日、宮崎市で開かれた党の会合で、「公明党との連立は20年が経過し、いい時だけでなく、野党に転落した時にも一緒に政策を作り、議論をしてきた。この枠組みは極めて大事だ」と強調しました。

そのうえで、「東京における動きでご心配をかけていると思うが、両党の連立の枠組みが揺らぐことはないと思っている。お互いに選挙でしっかり力を出し合いながら、与党の議席を1つでも増やす努力をしていく」と述べ、次の衆議院選挙に向け公明党との候補者調整を続けていく考えを示しました。

立民 泉代表「不協和音は大きくなっていると感じる」

立憲民主党の泉代表は27日、熊本市で記者団に対し、公明党が自民党との選挙協力を東京で解消する方針を決めたことについて「不協和音は大きくなっていると感じる。全国的にも信頼関係が壊れつつある」と指摘しました。

そのうえで、岸田総理大臣の衆議院の解散戦略に与える影響については「最終的に決めるのは岸田総理大臣で、このように見せかけて解散する可能性もあると思うので、常に抜かりなく解散・総選挙の準備を進めていく。教育や子育ての予算を大幅に拡大させるという訴えを前面に出して、党勢拡大を図りたい」と述べました。

一方、今の国会に岸田内閣に対する不信任決議案を提出するかどうかについて、泉代表は「最終盤まで、われわれとして判断していきたい」と述べるにとどめました。