米債務上限問題 “来月5日に債務不履行陥るおそれ” 財務長官

アメリカのイエレン財務長官は、議会が債務上限の引き上げなどに応じなければ、来月5日に債務の不履行に陥るおそれがあるという最新の見通しを示しました。

これまでは、早ければ来月1日が期限だとしてきており、日程上、わずかな余裕が生まれた形です。

アメリカのイエレン財務長官は26日、マッカーシー下院議長をはじめ議会指導部に宛てた書簡で、アメリカ財務省が来月1日からの2日間、退役軍人や社会保障・医療保険の受給者などに1300億ドル以上、日本円で18兆円以上の支払いを行う予定だと明らかにしました。

これによって、債務を支払うための資金が極めて低い水準に落ち込み、来月5日に債務の不履行に陥るおそれがあるということです。

これまでは、早ければ来月1日が期限だとしてきており、日程上、わずかな余裕が生まれた形です。

ただ、イエレン長官は、過去のケースを踏まえると、期限ギリギリまで交渉が続けばアメリカの信用などに深刻な打撃を与えると警告しています。

そのうえで「債務の上限が引き上げられなければ、アメリカの家庭に深刻な苦難をもたらし、国家安全保障上の利益を守る能力について疑問を持たれることになる」として、議会に対し、一刻も早く行動を起こすよう改めて強く求めました。

バイデン大統領「合意までとても近いだろう」

バイデン大統領は債務上限の引き上げをめぐる野党・共和党側との交渉について26日、記者団に対し「順調に進んでいるように見える。楽観視している。合意までとても近いだろう」と述べました。

そのうえで「合意ができるかどうか、今晩にはわかると思う」と述べ、期待を示しました。