ロシア軍の砲撃で大けが 日本で治療のウクライナ人男性が帰国
ロシア軍による砲撃で大けがをし日本で治療を続けてきたウクライナ人の男性が、ほぼ回復したとして、26日夜、帰国の途につきました。男性は日本側の支援に謝意を示すとともに、帰国後は再び部隊に入ってロシア軍と戦う姿勢を示しました。
ウクライナ人のアントン・コルニシュクさん(38)は、軍事侵攻が始まったあと、市民で作る部隊の衛生兵となっていましたが、去年3月、首都キーウ近郊でロシア軍の砲撃を受け、足などに大けがをしました。
大学で日本語を学んでいたというコルニシュクさんは、去年5月、指導教官らの支援で来日し、千葉大学医学部附属病院で治療を続けてきましたが、ほぼ回復したとしておよそ1年ぶりに帰国することになりました。
コルニシュクさんは26日夜、成田空港に見送りに来た医師や支援者らを前に屈伸するなどして元気になった様子を見せていました。
コルニシュクさんは、日本語でNHKの取材に答え「病院のスタッフの皆さんに感謝しています。帰ることになり、うれしい気持ちと悲しい気持ちが混ざっています」と話していました。
そのうえで「ロシアとの戦争に参加しなければいけない。準備ができたらすぐに軍に入ります」と述べ、帰国後は再び部隊に入ってロシア軍と戦う姿勢を示しました。
コルニシュクさんは、見送りに来た人たちから名前が書かれた大漁旗を贈られたあと、手を振りながら出国ゲートへ向かっていきました。
治療を行ってきた松浦佑介医師は「リハビリを頑張って想像以上に回復してくれた。戦場に戻ってほしくはないが、平和になったらウクライナを訪れて再会したい」と話していました。