スリランカ大統領 “債務問題 10月ごろまでに協議を終えたい”

日本を訪れているスリランカのウィクラマシンハ大統領がNHKのインタビューに応じ、深刻な経済危機に陥っているスリランカの債務の問題について、ことし10月ごろまでに再編の協議を終えたいとしたうえで、これまで日本などの主導で進められていることに謝意を示しました。

スリランカは、財政政策の失敗などで急激な通貨安やインフレに見舞われ、去年4月以降、対外的な債務の支払いを停止していて、今月上旬には、債務問題の解決に向けて日本などの債権国が協議する初めての会合が開かれています。

岸田総理大臣との会談などのため日本を訪れているウィクラマシンハ大統領は26日、都内でNHKのインタビューに応じ、債務再編の協議について「議会に予算案を提案する前となる9月か10月までには終えたい」と述べたうえで、これまで日本などの主導で進められていることに謝意を示しました。

また、最大の債権国とされる中国が正式な参加国ではなく、オブザーバーとしての参加にとどまっていることについて「私たちは、すべての債権国に協議に加わるよう提案している」と述べ、中国も正式に参加するよう訴えました。

一方、ウィクラマシンハ大統領は、岸田総理大臣との会談の中で、日本や中国、オーストラリアなどが参加する地域的な包括的経済連携、RCEPに加盟申請をする意向を伝えたことを明らかにしました。

そのうえで「アジアやオーストラリアの市場に参入したく、中期的にはTPP=環太平洋パートナーシップ協定にも参加したい」と述べ、経済的な枠組みへの参加は危機に陥っている経済の再建のために重要だという考えを示しました。