重い目の病気の「遺伝子治療」 厚労省の専門家部会 承認を了承

遺伝子の異常で起きる重い目の病気の患者に正常な遺伝子を含んだ特殊なウイルスを投与し、症状の改善を目指す「遺伝子治療」の治療薬について、厚生労働省の専門家部会が有効性が期待できる結果が得られたなどとして承認を了承しました。目の病気の遺伝子治療として、国内で初めての承認となる見通しです。

承認が了承されたのは、製薬会社のノバルティスファーマが申請していた遺伝子治療薬「ルクスターナ」です。

この薬は「RPE65」という遺伝子の異常が原因で光を感じるのに必要なたんぱく質が作られず、視力が低下したり、視野が欠けたりする「遺伝性網膜ジストロフィー」の患者に注射で投与します。

薬には、正常な遺伝子を含んだ人体に無害なウイルスが含まれていて、目の網膜に投与することで視覚機能の改善を目指します。

アメリカなど40以上の国や地域で承認されていて、厚生労働省によりますと国内で行われた治験でも投与を受けたあと、患者はより暗い場所でも光を感じ取り歩けるようになったと報告されるなど、有効性が期待され、安全性にも問題がないと判断されたことなどから、26日、専門家による部会で使用の承認が了承されました。

今後、正式に承認されれば遺伝子治療薬としては国内で4例目、目の病気の治療薬としては初めてとなります。