千葉県北東部と茨城県南部で震度5弱 津波なし

26日午後7時すぎ、千葉県東方沖を震源とする地震があり、千葉県と茨城県で震度5弱の揺れを観測しました。この地震による津波はありませんでした。
気象庁は、揺れの強かった地域では、今後1週間程度は同じ程度の地震に注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、26日午後7時3分ごろ、千葉県東方沖の深さ50キロを震源とするマグニチュード6.2の地震が発生しました。

この地震で震度5弱の揺れを千葉県の銚子市と旭市、それに茨城県神栖市で観測しました。

震度4を千葉県の成田市、東金市、印西市、匝瑳市、香取市、山武市など、茨城県のひたちなか市、鹿嶋市、潮来市、稲敷市、行方市、鉾田市、小美玉市などで観測しました。

このほか、震度3を東京23区の各地で観測するなど震度3から1の揺れを関東甲信越や東北、東海の広い範囲で観測しました。

また、長くゆっくりとした揺れ、長周期地震動の4つの階級のうち上から3番目の「階級2」の揺れを千葉県銚子市、茨城県鹿嶋市で観測したほか「階級1」の揺れを千葉県と茨城県の各地や横浜市鶴見区で観測しました。

この地震による津波はありませんでした。

気象庁は、揺れの強かった地域では落石やがけ崩れなどが起こりやすくなっている可能性があるとして、今後1週間程度は同じ程度の地震に注意するよう呼びかけています。

けが人などの情報なし(26日 午後8時)

各地の自治体や消防などによりますと、午後8時までにこの地震によるけが人などの情報は入っていないということです。

震度5弱の揺れを観測した茨城県神栖市では、スーパーでびんが割れるといった被害が確認されているものの、この地震による住宅への目立った被害の情報も入っていないということです。
気象庁によりますと、千葉県で震度5弱以上の揺れを観測したのは、今月11日に発生した千葉県南部を震源とするマグニチュード5.2の地震以来です。このときは木更津市で震度5強の揺れを観測しました。

また茨城県で震度5弱以上の揺れを観測したのは、去年の2022年11月9日に発生した茨城県南部を震源とするマグニチュード4.9の地震以来です。このときは城里町で震度5強の揺れを観測しました。

各地では

【東京 国分寺 エレベーター停止】
東京 国分寺市にあるマンションの10階ではエレベーターが停止し動かない状態になっていました。

【千葉 浦安 東京ディズニーシー】
千葉県浦安市にある「東京ディズニーシー」のレストラン内では天井の照明が揺れていて、従業員が「頭を守ってください」と呼びかけると利用客はテーブルの下に潜って身を守っていました。

【東京 港区の飲食店】
震度2の揺れを観測した東京 港区のビルの3階にある飲食店では天井からつり下げられた照明がゆっくりと揺れていました。

原子力規制庁「異常確認されず」

原子力規制庁によりますと、地震で震度3の揺れを観測した
▽茨城県東海村にある日本原子力発電の東海第二原子力発電所
▽日本原子力研究開発機構の使用済み核燃料の再処理施設
▽震度3の揺れを観測した茨城県大洗町にある高速実験炉「常陽」など茨城県内の原子力施設では、これまでのところ地震による異常は確認されていないということです。

また、
▽福島県大熊町と双葉町にある福島第一原子力発電所と
▽富岡町と楢葉町にある福島第二原子力発電所でも
これまでのところ先ほどの地震による異常は確認されていないということです。

いずれの施設でも周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの値に異常はないということです。

大手携帯電話会社 通信影響は確認されず

大手携帯電話会社のNTTドコモ、auのKDDI、ソフトバンク、楽天モバイルによりますと、いずれも今回の地震による通話や通信への影響は確認されていないということです。

また、NTT東日本によりますと、固定電話などの通信サービスへの影響は、確認されていないということです。

東京電力「停電は確認されず」

東京電力によりますと、これまでのところこの地震による停電は確認されていないということです。

また、火力発電事業者の「JERA」によりますと、震度5弱を観測した千葉県や茨城県を含む関東地方にある火力発電所では被害は確認されず、運転を続けているということです。

震度5弱の揺れの注意点は

気象庁によりますと、震度5弱の揺れが起きた場合、棚にある食器や本が落ちたり、固定していない家具など不安定なものが倒れたりすることもあります。

また、屋外では揺れによって地盤に亀裂が生じるおそれや、落石や崖崩れのおそれもあります。

倒れやすいものや崖の近くなど危険な場所には近づかないようにしてください。

室内では、割れた食器やガラスなどがあると片づけをする場合などに思わぬけがをするおそれがあります。

決して無理をせず、室内を歩くときはスリッパや靴をはくようにしてください。

地震時 エレベーターに乗っているときの注意点

今回の地震でエレベーターが止まっているという情報もあります。エレベーターに乗っているときに地震が発生した際の注意点です。以下の点に注意して、なにより落ち着いて行動してください。

【すべての階のボタンを押す】
エレベーターの中で地震の揺れを感じたときは、まず、即座に自分のいる階の近くからすべての階のボタンを押してください。エレベーターが完全に非常停止する前に近くの階に安全に止まることができる可能性があります。緊急地震速報に反応してすぐにボタンを押すことも有効です。

【ドアを閉めてみる】
また、エレベーターが非常停止した場合、ドアの一部が開いていることがあります。エレベーターはドアが開いていると電気回路が落ちる仕組みになっているため、完全に閉めることで、再び電気が通る可能性もあります。閉じ込められたら「ドアを開けよう」とすると思いますが、「ドアを閉める」ことを試してみてください。

【非常呼び出しボタンを何度も試す】
エレベーターには、外部につながる非常ボタンが必ずついています。このボタンを長押しすると外部と連絡が取れる可能性があります。すぐにつながらない場合も、諦めずに何度も試すことが大切です。

【声ではなく大きな「音」を出す】
閉じ込められていることを外に知らせるには、音を出すことが有効です。固いもので音を響かせるようにたたくと外に聞こえやすいほか、ホイッスルがあれば大きな音がでます。大声で助けを呼びたくなりそうですが、外に届きにくいだけでなく、体力を消耗するおそれもあります。助けを呼ぶには、「大声」よりも「大きな音」と覚えておいてください。

茨城 神栖市役所の職員「大きな横揺れ」

震度5弱の揺れを観測した茨城県神栖市役所の職員の男性は「最初に小刻みな揺れがあった後、大きな横揺れがあり、10秒くらいは揺れたと思います。机の下に隠れて安全を確保しました。机の書類が少し落ちたり、扉が開いたりはしました。今のところ、特に被害の情報は入っていませんが、確認を進めます」と話していました。

政府 情報連絡室を設置 被害の確認などにあたる

今回の地震を受けて、政府は午後7時5分に、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、被害の確認などにあたっています。