過労自殺教員の遺族らが会見「処遇や働き方 抜本的な改善を」

教員不足の解消に向け、残業代の代わりに支給している月給への上乗せ分の引き上げなどを自民党が提言していることを受け、過労のため自殺した教員の遺族らが会見を開き、処遇や働き方について抜本的な改善を目指すように求めました。

26日、文部科学省で会見を開いたのは、教員や識者など有志でつくる団体です。

自民党の提言では、
▽教員に残業代を支払わない代わりに月給に上乗せする分を現在の4%から10%以上に引き上げることや、
▽すべての教員の時間外の在校時間を45時間以内にし、将来的には平均で月20時間程度を目指すことなどを求めています。

こうした提言について、会見した団体は、残業が減り過労死が無くなることを目的に議論すべきだとし、
▽残業時間にかかわらず一定額を支払う今の仕組みについて廃止を含めて見直し、時間に応じた支払い方法を検討することや、
▽残業時間の上限を超えた場合の管理職や教育委員会の責任を明確にするなど、抜本的な改善を求めました。

9年前に過労のため自殺した福井県の中学校教員の父親、嶋田富士男さんは、「給与が増えても残業は減らないし過労死が無くなるわけではない。良心を持って議論してほしいです」と話していました。

文部科学省は、中教審=中央教育審議会での議論を踏まえ、来年春ごろまでに一定の方向性を示したいとしています。