トルコ大統領選決選投票 現職エルドアン氏がリードも接戦予想

ウクライナ情勢で仲介役を買って出るなど存在感を増す中東のトルコで、大統領選挙の決選投票が今月28日に行われます。1回目の投票で過半数に迫る票を獲得した現職のエルドアン氏が世論調査でリードを保っていますが、接戦が予想されていて、浮動票の取り込みが選挙の行方を左右しそうです。

トルコの大統領選挙は、今月14日に行われた投票の結果当選に必要な過半数の票を得た候補がおらず、28日に現職のエルドアン氏と最大野党の党首で、6つの野党の統一候補として立候補したクルチダルオール氏の間で決選投票が行われます。

1回目の投票で過半数に迫る49.5%余りの得票だったエルドアン氏は、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナからの農産物の輸出の合意をはじめ仲介外交の成果を誇るなど、首相時代も含め20年にわたる政権運営の実績を訴えています。

これに対し、44.8%余りの得票だったクルチダルオール氏は、通貨安や物価の高騰に伴うエルドアン政権の経済政策や強権的な政治手法などを批判し、政権交代を訴えています。

20日から21日にかけて地元の調査会社KONDAが行った世論調査の支持率では、エルドアン氏が47%とクルチダルオール氏の42.2%をリードしていて、投票先を決めていない人は8%余りとなっています。

1回目の投票で3位の5%余りの得票だった民族主義を訴えるオアン氏は、エルドアン氏への支持を表明する一方、オアン氏を擁立した右派政党はクルチダルオール氏を支持する方針を示していて、浮動票の行方が選挙の行方を左右しそうです。