マイナンバー公金受取口座を別の人に登録 20件確認 今後増加も

国の給付金などを受け取ることができる「公金受取口座」が、別の人のマイナンバーに登録されるトラブルについて、デジタル庁はこれまでに確認されたトラブルは14の自治体で合わせて20件に上ると発表しました。

マイナンバーにひも付けて登録することで、国の給付金などを受け取ることができる「公金受取口座」をめぐっては、別の人のマイナンバーに登録されるトラブルが相次いでいます。

これについてデジタル庁は26日、これまでに確認されたトラブルは東京 豊島区や盛岡市、広島県大竹市など14の自治体で合わせて20件に上ると発表しました。

新たに、5つの自治体で6件のトラブルが確認されたことになります。

また、これとは別に、確定申告の還付金を受け取るための口座を公金受取口座として登録するにあたって、税務署が別の人のマイナンバーに登録するトラブルが1件あったということです。

デジタル庁は関連するシステムの総点検を実施するとともに、全国の自治体に対し、トラブルがあった場合には報告を求めていて、今後、件数がさらに増える可能性もあります。

閣議後の会見で河野デジタル大臣は「マイナンバーカードの利用に関連する一連の事案が起き国民の皆様に不安を与え、大変申し訳ない。デジタル庁を中心に関係府省が一丸となって国民の皆様の不安解消への対応を講じたい」と述べました。

神奈川 海老名市のトラブル

海老名市は26日、このうち1件について、今月18日、70代の男性が市の窓口で公金受取口座を登録しようとした際に起きていたと発表しました。

市によりますと、男性が口座情報が分かるものを持ち合わせていなかったため、いったん登録を中断しましたが、ログアウトをしなかったため、このあと手続きに訪れた別の女性が、そのまま口座情報を登録してしまったということです。

男性が翌日窓口を訪れた際に女性の口座が登録されていたことが分かったということで、市は修正するとともに、2人に謝罪しました。

給付金の振り込みなどはありませんでした。

市によりますと、総務省からは「ログインの名前と別の口座名義だった場合は、登録できない」と聞いていたということです。

海老名市は「関係した市民に改めておわび申し上げます。今後はサポート担当者が正しい登録内容を確認するとともに、ログアウトをして初期画面に戻すなど、再発防止を図っていきます」としています。

埼玉 ふじみ野市のトラブル

埼玉県ふじみ野市は「マイナポイント」が誤って他人に付与されたり、「公金受取口座」が別の人にひもづいて登録されたりするトラブルが、合わせて3件あったと発表しました。

ふじみ野市によりますと、カードの取得などで最大2万円分のポイントがつく「マイナポイント第2弾」で、ことし3月から4月にかけて誤って他人にポイントが付与されたケースが2件あったということです。

また、去年11月には、国の給付金などを受け取ることができる公金受取口座が、別の人のマイナンバーとひもづけられるケースが1件判明しましたが、誤って給付金が支給されることはなかったということです。

市によりますと、いずれもポイントの手続きをする支援窓口で、先に手続きをした人がログアウトしないままの画面で次の人が手続きをしたため、前の人のマイナンバーの情報に次の人の決済サービスや口座などの情報がひも付いたことが原因で、市はすでに修正をしたということです。

こうしたトラブルは全国の自治体で相次いでいて、市はログアウトの確認を徹底して再発を防ぎたいとしています。

ふじみ野市は「ポイントを受け取れなかった方と誤ってひもづけられた方におわびします。ポイントを受け取れなかった方への補償を検討したい」とコメントしています。