国連事務総長 PKO殉職者を追悼 各国に支援と協力求める

国連のPKO=平和維持活動が始まってから75年となるのを前に、グテーレス事務総長は、これまでに世界各地で犠牲になった4200人を超える殉職者を追悼するとともに、要員の安全確保などを図るため各国に支援と協力を求めました。

国連のPKOは、イスラエルとアラブ諸国の間で起きた1948年の第1次中東戦争で初めて停戦監視を行い、現在は世界の12か所に展開し、125か国から8万7000人を超える兵士や警察官などが、紛争地の治安維持や復興支援にあたっています。

ニューヨークの国連本部では25日、PKOが始まってから75年となるのを前に、記念碑の前で、これまでに世界各地で犠牲になった4298人のために祈りがささげられました。

続いて行われた式典には、国連大使や幹部などおよそ300人が参列し、グテーレス事務総長は、「紛争はますます複雑になっている。武装集団やギャングなどが地域社会をむしばみ、デジタルの世界では緊張や分裂、憎悪や偽情報であふれている」と述べました。

そのうえで、「PKOの要員は、維持すべき平和が存在しない場所で働くことが多くなっている。PKOの活動は安全保障理事会の決定を受け、加盟国の分担金でまかなわれるが、新しい時代における平和維持活動の必要性を真剣に考えなくてはいけない」と述べ、要員の安全確保や機能の強化を図るため各国に支援と協力を求めました。