梅雨の時期前に「カビ」の相談相次ぐ 今できる対策は?

ジメジメする梅雨の時期。気になるのが「カビ」の発生です。

大切なのは今の時期の対策。ポイントをまとめました。

「カビが生えた」相談相次ぐ

梅雨の時期を前に、カビの相談を受けているNPOには、カビの予防や除去についての相談が寄せられはじめ、センターでは「カビが生える前から対策をとることが重要だ」と呼びかけています。

NPO「カビ相談センター」は、カビについての研究を進めながら相談を電話などで受け付けています。

センターには、梅雨入りが近づいた先週ごろから「住宅の床や浴室などにカビが生えたので、取り除きかたを教えてほしい」といった問い合わせが相次いでいます。

例年、相談がピークを迎えるのは6月中旬から7月上旬で、毎年およそ200件近くの相談が寄せられるということです。
「カビ相談センター」の高鳥浩介理事長は「カビをできるだけ吸い込まないようするためにも、発生を予防することが最も大切です。湿度が高い梅雨の時期にはカビが生えやすくなり、一度生えてしまうと取り除くのが難しいケースもあるので、5月中に対策してほしい」と話していました。

カビ対策のポイントは

カビ対策のポイントについて、東京ガスでハウスクリーニングの研修の講師も務めるベテランスタッフ、矢口隆之さんに聞きました。
矢口さんによりますと、梅雨の時期は、十分な換気をして、水分を拭き取り、カビの養分となる汚れを残さないことが大切だということで、今回はカビが生えやすい浴室や洗濯機、エアコンの具体的な対策について教えてもらいました。

【浴室の対策】

浴室で、シャンプーなどのボトルの底や、浴槽の隅などに付く赤く見える菌は、スポンジなどでこすれば比較的簡単に落とすことができます。

一方で壁や床の目地の部分などに発生する「黒カビ」は、こすっただけでは落ちにくいといいます。

予防するにはどうすればいいのか、矢口さんは次のように説明しています。

まず、可能であれば換気扇を常に作動させます。
そして入浴後は熱めのシャワーで床や壁を洗い流し、週に1回は風呂用の洗剤とスポンジを使って汚れを落とします。
シャワーで洗い流したあとは、水切りワイパーやマイクロファイバー性の布などでできるだけ水分を拭き取ることが大切だということです。

黒カビが発生したら

もし黒カビが発生した場合は、カビ用の塩素系漂白剤などを吹きつけてブラシで上からたたくようにして落とします。

それでも落ちない場合は、漂白剤を吹きつけたあとにティッシュなどを上からかぶせて30分ほど放置します。

そして、漂白剤をよく流したうえで全体をぬらし、洗剤をかけてスポンジや歯ブラシでこすると落としやすいということです。

矢口さんは「こびりついて固くなったカビを無理にこすって取ろうとすると傷がつく可能性があるので気をつけてほしい」と話していました。

【洗濯機の対策】

続いて洗濯機の対策です。

梅雨の時期の部屋干しで洗濯物の匂いが気になったことはないでしょうか。

原因の1つが洗濯機のカビだといいます。

洗濯槽の穴やフチ、洗剤の投入口などは汚れがたまりやすいほか、洗濯槽の裏側は水分が蒸発しにくいためカビが生えやすいといいます。

カビを生えにくくするためには、使用しないときはふたをあけたままにして、洗濯物を洗濯機の中に入れっぱなしにしないことが大切だということです。
また、説明書に沿って、こまめに洗濯槽クリーナーで洗浄することも対策として有効だといいます。
矢口さんは「洗濯槽の内部にカビが大量に生えると一般の人では取るのが大変なので特に梅雨の時期は気をつけてほしい」と話していました。

【エアコンの対策】

最後にこれからの季節に活躍するエアコンです。

エアコンの内部や吹き出し口、フィルターにカビが発生しやすいため、こまめに掃除をすることが大切です。

まず、電源プラグを抜き、モップや雑巾で吹き出し口などを拭きます。
次にエアコンのフロントパネルを開けて、本体からフィルターを外します。

フィルターの表面からほこりを取ったあとに水洗いをしたうえで細かいほこりを取り除き、タオルで拭いて十分に乾燥させればきれいに保つことができるといいます。
また、自動で掃除する機能がついていないエアコンの場合、使用後に送風モードにして内部を乾かすことも大事だということです。

一方でエアコンの吹き出し口からカビが見えている場合は、その奥で多くのカビが生えている可能性があります。

その状態になると、取り除くのは簡単ではないため、可能であれば、業者に依頼したほうが確実だということです。