立民 安住氏 マイナンバーでトラブル “国会で集中審議を”

マイナンバーカードと一体化した健康保険証に他人の情報が登録されるなど、トラブルが相次いでいることについて、立憲民主党の安住国会対策委員長は、政府の対応に落ち度があったとして、国会で集中的な審議を行うよう求める考えを示しました。

マイナンバーをめぐっては、カードと一体化した健康保険証に、誤って他人の情報が登録されていたケースが7300件余り確認されたほか、マイナンバーにひも付けられる「公金受取口座」も、別の人のマイナンバーに登録されていたケースが確認されるなど、トラブルが相次いでいます。

これについて、立憲民主党の安住国会対策委員長は、党の会合で「便利の裏側にある、いわば人為的なミスによって、知らない人の情報とすり替えられたら、国民生活に大変な混乱を起こす。特に高齢者は不安に思っている」と指摘しました。

そのうえで、安住氏は、こうしたトラブルは、政府の対応に落ち度があったためだとして、与党側に対し、国会で集中的な審議を行うよう求める考えを示しました。

岸田首相「重く受け止める」

岸田総理大臣は24日の衆議院予算委員会の集中審議で、「マイナンバーカードはデジタル社会の基盤となる重要なインフラだと認識しているが、信頼があってこそだ。国民が不安を感じるような案件が指摘されていることは重く受け止めなければならない」と述べ、再発防止や信頼回復に政府一丸となって対応していく考えを示しました。

松野官房長官「大変遺憾 対策着実に」

松野官房長官は、午後の記者会見で「個人情報の保護に関する国民の信頼を損なう重大な事案で、不安を与えたことは大変遺憾だ」と述べました。

そのうえで「自治体が管理・運営するシステムの誤りや人為的なミスに基づいており、各自治体や関係省庁が、事実関係の確認や原因の分析などを速やかに行い再発防止に努めている。マイナンバーカードを安心して利用できるよう、デジタル庁を中心に関係省庁で必要な対策に着実に取り組むものと承知している」と述べました。

公明 高木政調会長「誠に遺憾 早急に再発防止を」

公明党の高木政務調査会長は、記者会見で「誠に遺憾であり、早急に再発防止に向けた対策をとるよう政府に強く求めたい。信頼が損なわれれば、国民の生活向上を目指すデジタル化が大きく遅れてしまうおそれがあり、国民にマイナンバーカードのメリットを実感し、安心して使ってもらえるよう、問題の解決に全力であたってもらいたい」と述べました。

国民 古川国対委員長「国会での集中的な議論の場を」

国民民主党の古川国会対策委員長は記者会見で、「マイナンバー制度そのものに対する信頼が揺らぎかねない事態になっていることは、極めて遺憾だ。利活用の範囲を広げていくことは必要だが、十分な時間的余裕をもってやるべきだ。経緯をチェックして丁寧に対応していく必要があり、国会での集中的な議論の場を考えるべきだ」と述べました。

日本医師会 松本会長「信頼性を高めることが重要」

日本医師会の松本会長は記者会見で「マイナンバーカードと一体化された健康保険証は、医療DXの基盤となる大変重要な仕組みだが、正確なデータ登録がなされていることが大前提だ。今後、患者や医療機関が安心して利用できるように、信頼性を高めていくことが最も重要で、国などには、データの正確性の確保に全力で取り組んでほしい」と述べました。