福島第一原発1号機 原子炉の土台損傷“対策取りまとめを”

メルトダウンを起こした福島第一原子力発電所1号機の原子炉を支える円筒形の土台がほぼ全周にわたって壊れている状況が明らかになったことを受けて、原子力規制委員会は東京電力に対し、想定されるリスクや、必要な対策を早急にとりまとめるよう求めることを決めました。

福島第一原発1号機では、ことし3月に行われた内部調査でペデスタルと呼ばれる原子炉を支える鉄筋コンクリート製の円筒形の土台がほぼ全周にわたって壊れ、鉄筋がむき出しになっている状況が確認されました。

東京電力は、ペデスタルが原子炉を支えられなくなった場合でも周りの構造物に抑えられて大きく倒れることはないとしていますが、24日に開かれた原子力規制委員会では、委員から「東京電力の説明のように楽観的に考えることはできない」とか「格納容器がさらに損傷した場合に備えて早急な対応が必要だ」といった意見が相次ぎました。

そして、東京電力に対してペデスタルが原子炉を支えられないことを前提に、どのようなリスクが想定されるかや、放射性物質が外部に拡散するの防ぐために必要な対策などを、ことし7月までにとりまとめるよう求めることを決めました。

東京電力は、内部調査の結果を踏まえて、改めて耐震性に問題がないか調べるとしていますが、規制委員会としては、状況が把握できていない部分が多く残されていることも踏まえ、最悪の事態を想定しておく必要があるとして早急な対応を求めた形です。