震度6強の珠洲市 「局地激甚災害」に指定へ 復旧費を財政支援

5月に発生した石川県能登地方を震源とする地震で震度6強の激しい揺れを観測した珠洲市の被害について、政府は「局地激甚災害」に指定される見込みになったと発表しました。復旧にかかる費用を財政面で支援することになります。

5月5日、石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生して珠洲市では震度6強を観測したほか、同じ日に震度5強の揺れも観測するなど地震が相次ぎました。

この地震で珠洲市で1人が死亡し、石川県と富山県で40人余りがけがをしたほか、住宅が倒壊するなどの被害が出ました。

さらに、港の岸壁にひびが入ったり、道路が陥没したりするなど道路や港湾の公共土木施設でも被害が出ました。

内閣府は23日、珠洲市では農業用施設や堤防などの土木施設の復旧にかかる費用の見込み額が、「局地激甚災害」の指定基準を上回る見込みとなったと発表しました。

政府は近く「局地激甚災害」への指定を決定する方針で、公共施設などの復旧工事を行う際には国からの補助率が70%から80%余りに引き上げられます。

また中小企業については資金を調達する際に保証を受けやすくするための特例措置が適用されることになります。

谷防災相「きめ細かな対応を心がけていく」

谷防災担当大臣は閣議のあとの記者会見で「被災した自治体と被災者は財政面や資金面で不安を抱くことなく復旧に取り組んでもらいたい。珠洲市は高齢化率が高いなど地域の実情として厳しいものがある。能登半島ではおととし以来、地震が引き続いているので、きめ細かな対応をするように心がけていく」と話していました。