バフムト ロシア側が掌握発表 ウクライナ側は郊外反撃を強調

ロシアが侵攻するウクライナの激戦地バフムトでは、ロシア側が完全掌握を発表する一方、ウクライナ側は郊外で反撃を続けていると強調しています。こうした中、ウクライナ軍は南部の州などで反撃を行い、大規模な反転攻勢の動きにも関心が集まっています。

ウクライナ東部ドネツク州のバフムトをめぐり、ロシア側は正規軍が民間軍事会社ワグネルとともに完全に掌握したと発表しました。

これに対し、ゼレンスキー大統領はG7広島サミットのあとの記者会見で「ロシアに占領されていない」と否定し、ウクライナ軍の参謀本部も22日「バフムトでは戦闘が続いている」としてバフムト郊外で反撃していると強調しています。

バフムトの戦況についてアメリカのシンクタンク、「戦争研究所」は21日「ワグネルの部隊がバフムトの西部を確保した可能性が高い一方で、ウクライナ軍は引き続き郊外での反撃を優先している」として、ロシア側がバフムトの大半を掌握したとする一方、郊外でウクライナ軍の反撃が続いていると分析しました。

そして「ロシア軍は他の地域での作戦を犠牲にし、バフムトの側面を維持するため追加の部隊が必要となるだろう。ワグネルの部隊は消耗していて今後も戦闘を続ける可能性は低い」と指摘しました。

バフムトでは今後も攻防が続き、ロシア側は引き続き兵力を投入する必要があるとの見方を示した形です。

一方、ウクライナ軍は21日、南部ザポリージャ州でロシア側が掌握し、アゾフ海に面した港湾都市ベルジャンシクにあるロシア軍の司令部を攻撃し、破壊したと発表しました。

ベルジャンシクは戦闘の最前線からおよそ100キロ離れた場所にあり、ロシア側は、イギリスが供与した射程が250キロ以上と長い、高精度の巡航ミサイル「ストームシャドー」が攻撃に使われたと主張していて、ウクライナ側の大規模な反転攻勢の動きにも関心が集まっています。