ロシア ICC主任検察官を指名手配 逮捕状への対抗措置

ロシア政府は、戦争犯罪の疑いでプーチン大統領などに逮捕状を出したICC=国際刑事裁判所への対抗措置として、ICCのカーン主任検察官を指名手配のリストに掲載しました。これに対してICCは「責任を追及するため正当な任務を遂行していく」としています。

ICCはことし3月、ロシアがウクライナの占領地域から子どもたちをロシア側に移送したことをめぐり、国際法上の戦争犯罪の疑いでプーチン大統領など2人に逮捕状を出しました。

これに対抗してロシアで重大事件を扱う連邦捜査委員会は「違法な手続きだ」として、ICCのカーン主任検察官や赤根智子裁判官など、あわせて4人に対して刑事手続きを開始したと発表していました。

このうちカーン主任検察官についてロシア内務省は19日、指名手配のリストに掲載したと明らかにしました。

ロシアとしては、捜査を指揮するカーン主任検察官を指名手配にすることで、対抗措置を強めるねらいがあるとみられます。

これについてICCは20日、声明を発表し「不当で威圧的な措置だ」と批判したうえで、「ICCはひるむことなく、国際社会全体が懸念する深刻な犯罪についての責任を追及するため正当な任務を遂行していく」としています。