EU委員長“日本で各国首脳に”ゼレンスキー大統領に強く勧める

G7広島サミットに参加しているEU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は20日午後、NHKの単独インタビューに応じました。

この中で、フォンデアライエン委員長は「私は、ここ10日間のうちに何度かゼレンスキー大統領に会っていて、日本に来て、平和の都市である広島で各国の首脳たちに会うことを強く勧めていた。こここそが、公正な平和を実現する方法を話し合うのにふさわしい場所だ」と述べ、ゼレンスキー大統領にG7広島サミットへの参加を促していたことを明らかにしました。

そのうえで、来日が実現したことについて、「G7の首脳がゼレンスキー大統領と顔を合わせ、ウクライナ支援の強化について議論できるのは、非常によいニュースだ。財政的、軍事的な支援、そして、ロシアにどのように責任を負わせるかという問題などについて話し合うことができる」と述べ、歓迎しました。

また、ゼレンスキー大統領がG7以外の「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や、途上国の首脳とも会う機会があることについて、「インドやインドネシアのリーダーに会うことも非常に重要だ。彼らの中には戦争が始まって以降、直接会ったことのない人もいるからだ。招待されているすべての国は、国連憲章と国際法を守ることを強く支持していて、これこそが、私たちが守るべき共通の価値観であり、私たちを結び付けるもので、このために私たちはウクライナを支援している。前向きな成果が得られることを確信している」と述べて、ウクライナ支援について、参加するすべての国が一致した方向性を打ち出せることに期待を示しました。

さらに、19日に訪れた広島市の原爆資料館について、「平和より貴重なものはないという世界への強いメッセージを感じた。広島で起こったことが、今でも人々を苦しめていることがわかる。戦争がもたらす代償が、いかに恐ろしいものか、そして平和を守ることが、いかに重要であるかを示していて、これはウクライナにも共通することだ」と話し、平和への決意を新たにしたことを明らかにしました。