ロシア軍 ウクライナ各地へミサイル攻撃 統制の乱れも続く

ロシア軍は、今月16日に続いて18日もウクライナ各地への集中的なミサイル攻撃を仕掛けました。
一方、東部の激戦地バフムトをめぐってウクライナ軍の反撃が進む中、ロシア側では統制の乱れが続いています。

ウクライナ軍のザルジニー総司令官は18日、ロシア軍が合わせて30発に上るミサイル攻撃を仕掛け、このうち29発を迎撃したほか、無人機2機を撃墜したと発表しました。

多くを迎撃した形ですが、東部ドネツク州のキリレンコ知事は、ミサイル攻撃によって1人が死亡したとSNSで明らかにしました。

ウクライナでは、16日も首都キーウなど各地で集中的なミサイル攻撃があったばかりで、ウクライナが反転攻勢に乗り出す構えを示す中、ロシア軍は今月に入ってミサイルや無人機による攻撃を繰り返しています。

一方、ドネツク州の激戦地バフムトをめぐってウクライナ側は郊外で徐々に前進し、反撃が進んでいるという認識を示しています。

こうした中、ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏は18日、正規軍の部隊が後退しているとSNSで主張し、ショイグ国防相などに対して「脇が崩れないよう力を尽くしてほしい」と訴えました。

ロシア国防省は18日、ショイグ国防相が国内の演習場で、欧米の兵器に対抗した実践的な訓練を行う兵士を視察したとする映像を公開しましたが、ワグネル側の訴えには反応しておらず、統制の乱れが続いています。

ゼレンスキー大統領 南部クリミアを奪還する姿勢 改めて示す

ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、首都キーウでの式典で演説し「ロシアが何をしようと、その侵略は打ち砕かれる。クリミアであろうと、ほかのどの地域であろうと奪うことはできない。ここはわれわれの故郷だ」と述べ、2014年にロシアが一方的に併合した南部クリミアを奪還する姿勢を改めて示しました。

そのうえで「クリミアの返還なくして平穏な国際関係と国際法の完全な力の回復はないことを、より多くの国の指導者が認識するようになった」と強調しました。

この日は、少数民族のクリミア・タタール人が、第2次世界大戦中に、当時のソビエト政府によってクリミアから民族ごと強制移住させられ、犠牲になった人たちを追悼する日にあたります。

ゼレンスキー大統領は犠牲者の追悼式典で演説したもので、関係者を前に「われわれのクリミアで、祖父母の温かい思い出や子どもたちの笑顔がある中で皆が会える時が来ると確信している」と述べました。