南米エクアドル 議会を解散し大統領選挙を前倒しで実施へ

南米エクアドルでは、大統領がみずからの不正疑惑をめぐって弾劾の手続きを進めていた議会を解散すると発表し、再来年に予定されていた大統領選挙が前倒しで行われることになりました。

エクアドルではおととし就任した中道右派のラッソ大統領と、議会の多数派を占める野党が鋭く対立し、野党側は、大統領が、国営の石油輸送会社の契約に不正があると知りながら放置し、国に損害を与えたとして弾劾の手続きを進めていました。

ラッソ大統領は17日ビデオ演説を公開し、一連の不正疑惑を改めて否定するとともに、議会を解散すると発表しました。

そして「エクアドル国民の権利を取り戻すための、憲法に基づく民主的な決断だ」と述べ、再来年に予定されていた大統領選挙と議会選挙が前倒しで行われることになりました。

エクアドルの軍と警察は、首都キトの議会の周辺を閉鎖し、大規模な抗議デモなどへの警戒を強めています。

エクアドルでは麻薬取引が絡む犯罪の増加で治安の悪化が進み、先月には民間人が自己防衛のために銃を所持し使用することが、条件付きで許可されるなど、緊張が高まっています。