岸田首相 台湾 韓国 アメリカの半導体メーカー幹部らと会談

半導体分野での経済安全保障の強化に向けて、岸田総理大臣は18日、海外の半導体メーカーの幹部らと会談し、日本への投資に対して政府として支援に取り組む考えを示しました。

半導体の分野は、アメリカと中国の対立などを背景に経済安全保障上、重要性が増していて、安定供給に向けたサプライチェーンの強化が課題となっています。

こうした中、岸田総理大臣は18日、総理大臣官邸で台湾のTSMCや韓国のサムスン電子、アメリカのマイクロンテクノロジーなど海外の大手半導体メーカーの幹部らと会談しました。

会談ではマイクロンテクノロジーが広島県で新たに次世代の記憶用半導体の開発・生産に向けて最大で5000億円を投資する計画を表明したほか、サムスン電子からは日本国内で先端半導体の研究開発センターの整備を検討していることなどが伝えられました。

これに対し、岸田総理大臣は日本への投資に対して政府として支援に取り組む考えを示しました。

政府は、先端半導体の研究開発や生産施設の整備への補助金などとして昨年度の補正予算におよそ1兆3000億円を盛り込み、今後、各社の投資計画に対し、支援の検討を進めることにしています。

日本国内への投資などに関する発言相次ぐ

18日行われた岸田総理大臣と海外の半導体メーカーの幹部らとの会談の中では、日本国内への投資などに関する発言が相次ぎました。

このうち、台湾のTSMCは現在、熊本県でソニーグループなどと共同で新工場を建設中ですが、日本政府の支援を前提にさらなる投資拡大も検討する意向を示しました。

また、韓国のサムスン電子は、先端半導体の研究開発センターの整備を検討していることを明らかにし、世界的にシェアが高い日本の半導体製造装置や素材メーカーとの共同研究を行いたいとしています。

このほか、半導体関連の研究機関のベルギーの「imec」は日本の拠点を新たに整備する計画を示したうえで日本政府による支援を要望したということです。

岸田首相「対日直接投資の拡大や半導体産業への支援に取り組む」

岸田総理大臣は「日本への投資に前向きな姿勢を大変うれしく思っており、政府を挙げて、対日直接投資のさらなる拡大や半導体産業への支援に取り組んでいきたい。こうした方針を『骨太の方針』に盛り込んでいきたい」と述べました。

また「本日このあと、サミット会場の広島に向かうが、グローバル・サプライチェーンの安定化という世界的な課題についても、議長国として議論をリードし、国際的な連携を強化していきたい」と述べました。