国の天然記念物ニホンヤマネ 八ヶ岳に返す ボランティアが世話

長野県の八ヶ岳山麓(さんろく)の別荘で見つかり、県から委嘱を受けたボランティアに育てられていた国の天然記念物のニホンヤマネが、17日、八ヶ岳に返されました。

ニホンヤマネは、口から尾の先までが13センチほどのネズミやリスに似た小動物で、数百万年前から生息する日本の固有種のため「生きた化石」とも呼ばれ、国の天然記念物に指定されています。

去年11月、母親からはぐれたと見られる、生まれて2か月ほどのヤマネが、八ヶ岳山麓にある富士見町の別荘で見つかり、県の委嘱を受けて活動する野生傷病鳥獣救護ボランティアが世話をしてきました。

体重も20グラム近くまで増え、自然の中でも生きていける体力がついたとして、17日、山に返されました。
ケースから出されたヤマネは、慣れない森に緊張した様子で、しばらくはその場から動きませんでしたが、やがて草むらへ駆け込んでいきました。

ボランティアとして40年以上ヤマネを救護してきた西村豊さんは「自分で食べ物を見つけ、天敵から身を守って生きていってほしい」と話していました。