中国外務省 各国大使館などに政治的宣伝掲げないよう通知

中国外務省は、各国の大使館や国際機関に対し、建物の壁などに政治的な宣伝を掲げないよう通知を出し、ロシアによるウクライナ侵攻以降、欧米各国の大使館などがウクライナとの連帯を示すメッセージを掲げていることを問題視しているとみられます。

関係者によりますと、中国外務省は北京にある各国の大使館や国際機関に対し、建物の壁などに政治的な宣伝を掲げないよう今月10日付けで通知を出したということです。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、欧米各国の大使館などの壁にはウクライナとの連帯を示すメッセージが相次いで掲げられ、こうした動きを問題視しているとみられます。

この通知について、中国外務省の汪文斌報道官は17日の記者会見で「外交関係に関するウィーン条約などに基づき、各国の大使館と国際機関の代表部は中国の法律を尊重する義務を負っている」と述べ、正当化しました。

ウクライナ情勢をめぐって、中国政府はことし2月に対話と停戦を呼びかける文書を発表しましたが、ロシア軍の撤退が含まれていないなど、欧米側からは「ロシア寄りだ」などと批判の声があがっています。