若手女性研究者の活躍を後押し「マリー・キュリー賞」授賞式

国内の研究者に占める女性の割合が海外に比べ低い水準にとどまる中、若手女性研究者を表彰し、活躍を後押ししようという賞の授賞式が行われました。

この賞は、女性初のノーベル賞受賞者にちなんで「マリー・キュリー賞」と呼ばれ、マリー・キュリーの出身地であるポーランドの駐日大使館と科学技術振興機構がおととし、合同で設立しました。

16日夜は大使館で授賞式が行われ、最優秀賞にはハーバード大学博士研究員の市川早紀さんが選ばれ、賞状などが手渡されました。

市川さんは化学的な手法で、病気の仕組みや薬がどう働くかを解明する研究に取り組んでいて、がんなどの治療に効果があり、副作用のない薬の開発などに応用が期待できるという高い将来性が評価されました。

国の調査によりますと、国内では研究者に占める女性の割合が年々増加傾向にあるものの、2020年時点で17.5%と、30%を超える海外の国々に比べ低い水準にとどまっています。

科学技術振興機構によりますと、出産や結婚などでキャリアが中断されることなどが課題になっているということで、こうした賞によって、若いうちから注目を集めることでキャリア形成を支援するねらいがあるということです。

市川さんは「まだ研究者として独立していない状態で、注目度の高い賞をいただくことは励みになる。これからも頑張っていきたい」と話していました。