京都「葵祭」の行列 4年ぶり実施 上皇ご夫妻もご覧に

15日、雨のため延期となった京都三大祭りの一つ「葵祭」の行列が16日、上皇ご夫妻もご覧になる中、4年ぶりに行われました。

葵祭は、およそ1400年前、凶作が続いた際に、欽明天皇が五穀豊じょうを祈って馬を走らせたのが始まりとされています。

呼び物は、鮮やかな平安時代の装束に身を包んで都大路を練り歩く行列で、新型コロナの影響で去年まで3年連続で中止となりましたが、ことし、4年ぶりに行われました。
出発に先立ち、京都市上京区の京都御所では、祭りの主役で、十二単(じゅうにひとえ)をまとい「斎王代」をつとめる京都市出身の会社員、松井陽菜さんが「十二単はとても重いですが、責任の重さと捉えて最後までつとめます」と抱負を述べました。
そして、午前10時半、祭りの名前の由来となったフタバアオイを飾りつけた、およそ500人の行列が、京都御所を出発しました。

行列は15日に行われる予定でしたが、雨のため延期となり、16日は青空の下、京都を訪れている上皇ご夫妻もご覧になりました。
上皇ご夫妻は、行列に向かって時折、笑みを浮かべられ、主役の「斎王代」が前を通過すると、上皇后さまは拍手をされていました。

警察の発表によりますと、16日はおよそ4万人が集まったということで、訪れた人たちは久々に繰り広げられる平安絵巻を楽しんでいました

上皇ご夫妻への説明を担当した人は

上皇ご夫妻は、およそ40分にわたって行列をご覧になり、「葵祭行列保存会」の前の会長の猪熊兼勝さんが説明を担当しました。

猪熊さんによりますと、上皇ご夫妻は行列の参列者があいさつをすると、それに対して、立ってこたえられていたということです。

上皇さまは、行列の馬がおとなしく歩いていることについて「これだけ人がいるのにおとなしいですね」とおっしゃったということです。

また、上皇后さまは行列の参列者がつけているフタバアオイを手に取り、説明を聞かれたということです。

猪熊さんは「葵祭は皇室の祭りであり、来ていただきたいと思っていたので、実現して大変喜ばしいです」と話していました。

訪れた人たちは

行列を見に埼玉県から訪れた60代の女性は「初めて見ましたが、華やかな衣装や、きれいな花を見ることができてよかったです。上皇ご夫妻も楽しまれたのかなと思います」と話していました。

また、兵庫県から訪れた70代の男性は「天気がよくて気持ちがよかったです。これからも、この祭りが続いてほしいです」と話していました。