子供の行方不明 年間1000人以上 対策どうすれば?

年間1000人以上。

警察に行方不明者届が出された子供の人数です。

今、子供の見守りを技術面でサポートする動きが始まっています。

毎年1000人以上が行方不明

警察庁が公表している行方不明者の人数。
9歳以下の子供は、毎年1000人を超えています。
令和3年は1010人。
人口10万人あたりでみると10人から12人にのぼります。

警察庁によると、9歳以下の子供の場合、迷子や家出などのケースが多いそうで、ほとんどのケースは無事に見つかっているといいます。

ただ、警察に届け出を出すほど、子供がいなくなって不安に思う人がたくさんいるのは事実です。

実際に、犯罪や事故に巻き込まれた可能性があるとして、警察が公開捜査に踏み切るケースもあります。

マイナンバーカードを使った見守り

こうしたなか、子供を地域で見守っていくため、IT技術を活用する動きも広がっています。

島根県美郷町が検討しているのは、マイナンバーカードを活用した見守り活動です。
町立の小中学校で、子供がマイナンバーカードをかざすと、保護者に登下校の状況がメールで届く仕組みです。

スマホを持っていない子供でも、マイナンバーカードならと考えたそうで、町は、今年度末から来年度にかけて導入することを目指しています。

なくしたら心配だという声もありそうですが…

町は、紛失しないような対策を講じることを検討しているということです。

そして、利用を強制するのではなく、希望する人に限って活用してもらうとしています。

位置情報を記録して

一方、東京府中市では、ことし1月から全ての市立小学校で新たな見守りサービスが導入されました。

小型の端末を持った子供の位置情報が記録される仕組みです。
位置情報は、小学校や市の施設などに設置された基地局を通過したり、「見守り人アプリ」をインストールした人とすれ違ったりすると、記録される仕組みになっています。
市は、子供が安心して通学でき、万が一、行方不明や連れ去りにあったときにも捜査の一助になるようにと導入を決めました。

こちらも希望者のみが登録して利用できることになっていて、ことし3月時点でおよそ4600人の児童が登録しているということです。

府中市以外にも、福岡市や大阪豊中市、新潟市などで導入されているといいます。

otta 山本文和社長
「見守りを支えてくれていたボランティアの高齢化もあるなかで子供の安心安全をどう守っていくか、ITによる取り組みもうまく活用していただければと考えています」

見守りに賛同し、アプリをダウンロードしている人は1万人を超えたということです。

子供を犯罪から守るには

犯罪に巻き込まれやすい場所や時間帯も分かってきました。

大阪府警によると去年、大阪府内で中学生以下の子供に対して、不審者による声かけやつきまといなどは785件ありました。

最も多かったのは、下校時間や放課後に重なる、午後3時台から午後5時台にかけてで、被害のおよそ6割を占めています。

被害に遭う場所は最も多いのが道路上で78%、次いで公園が12%でした。

被害は全体の75%が女子と、男子を大きく上回っていて、特に1人でいるときに被害に遭っているということです。

大阪府警は子供に説明しやすいように5つの約束をまとめています。
【約束1】
1人では遊ばないで、外ではできるだけ複数で行動して下さい。

【約束2】
「お菓子をあげる」「ゲームをしよう」などと言われても、知らない人にはついていかないでください。

【約束3】
身の危険を感じたり怖いと思ったりしたら、大きな声を出したり、防犯ブザーを鳴らしてすぐにその場所から走って逃げてください。

【約束4】
誰と、どこで遊ぶのか、いつ帰るのかを家の人に伝えてから出かけてください。

【約束5】
友だちが連れていかれそうになったら、すぐに大人の人に知らせて下さい。

また、人通りの少ない道路や暗がりなど、死角となるような場所はさけるよう呼びかけています。

子どもを見守る環境作りはさまざまな立場から、今進んでいます。

(ネットワーク報道部 記者 松本裕樹 清水阿喜子 大阪放送局 記者 佐藤崇大)