米 年次報告書“中国 新疆ウイグル自治区で「ジェノサイド」”

アメリカのバイデン政権は、世界の信教の自由に関する年次報告書を公表し、中国の新疆ウイグル自治区で民族などの集団に破壊する意図を持って危害を加える「ジェノサイド」が続いていると非難しました。バイデン政権はこれまでも新疆ウイグル自治区で人権侵害が行われていると繰り返し非難していて、中国からの強い反発も予想されます。

アメリカ国務省は15日、世界の信教の自由に関する年次報告書を公表しました。

このなかで「中国の新疆ウイグル自治区では、テロ対策などの名のもとに2017年以降ウイグルの人たちをはじめとするイスラム教徒など100万人以上が当局によって拘束されたと推計される」と指摘しました。

これについて、国務省高官は記者団に対し「中国は人権と信教の自由に対し世界で最もひどい侵害を行っている国の一つだ。ウイグル族へのジェノサイドと人道に対する罪に関与し続けている」と述べ、非難しました。

バイデン政権は、新疆ウイグル自治区で人権侵害が行われていると繰り返し非難していて、去年11月、インドネシアで行われた習近平国家主席との首脳会談でもバイデン大統領がこの問題を取り上げています。

新疆ウイグル自治区での「ジェノサイド」の指摘について、中国はこれまで否定する立場を重ねて示していて、今回の報告書に対する強い反発も予想されます。

中国外務省「米がねつ造した世紀のうそ」

アメリカのバイデン政権が中国の新疆ウイグル自治区で「ジェノサイド」が続いていると非難したことについて、中国外務省の汪文斌報道官は16日の記者会見で「中国はアメリカの言論を決して受け入れず、断固反対する。中国が『ジェノサイド』を行っているというのはアメリカがねつ造した世紀のうそだ」と強く反発しました。

そのうえで「われわれはアメリカに対し、いわゆる人権や宗教、それに民族などの問題を口実に中国の内政に干渉し、中国の発展を抑え込もうとするたくらみをやめるよう求める」と述べ、アメリカをけん制しました。