EU インド太平洋地域との連携 さらに強めたい考え強調

EU=ヨーロッパ連合は、インド太平洋地域の国々との閣僚級会合を開き、戦略的に重要な物資の供給網の強化などでさらに連携を強めたい考えを強調しました。

EUが13日、議長国を務めるスウェーデンで開いた、インド太平洋地域の国々との閣僚級会合には、50を超える国や国際機関の代表が出席しました。

会合の冒頭、EUのボレル上級代表は「相互の結びつきと依存をいっそう強化したい。インド太平洋地域は、経済的にみて隣人のように近い関係だ」と述べ、EU域内で中国に過度に依存することへの警戒感が高まっている、戦略的に重要な物資について供給網を強化することなどで、インド太平洋地域との連携をさらに強めたい考えを強調しました。

会合では、気候変動対策やエネルギー安全保障などでの協力のほか、インド太平洋地域の安全保障環境をめぐっても意見が交わされたということです。

終了後の記者会見でボレル上級代表は「EUとインド太平洋地域の関係は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くなか、世界にはさらなる協力が求められているという思いを反映している」と述べ、幅広い協力を進めていくことに意欲を示しました。

大国間対立に懸念の声も

13日の会合に出席したインド太平洋地域の国々はEU=ヨーロッパ連合との関係強化を歓迎していますが、大国間の対立に巻き込まれることを懸念する声も聞かれました。

ASEAN=東南アジア諸国連合の議長国を務めるインドネシアのルトノ外相は「ASEANはインド太平洋地域の中心という 戦略的な位置にある。だからこそ、この地域が新たな対立の舞台となることは望んでいない。再び冷戦に巻き込まれることに関心は持っていない」と述べました。

その上で「連携の枠組みはいかなる国にも開かれなければならず、われわれの国民に利益をもたらすことが重要だ」と強調しました。