労働災害遺族の交流会 追悼施設で初の開催 東京 八王子

労働災害で家族を亡くし、孤立してしまう人を減らそうと、労災で亡くなった人をまつっている東京 八王子市の追悼施設で、遺族どうしの交流会が初めて行われました。

東京 八王子市の「高尾みころも霊堂」は、国の認可を受けて労災で亡くなった人を追悼する全国で唯一の施設で、13日「春の慰霊祭」が行われました。

遺族などおよそ60人が参列し、み霊をまつる霊位に白い菊の花を手向けて亡くなった人を悼みました。

労災で家族を失った人たちは周囲と境遇を話し合えずに悩みを抱え孤立してしまうケースがあるとして、13日は慰霊祭のあと、遺族9人が参加して遺族どうしの交流会が初めて行われました。

遺族からは、周囲から「時間がたてば忘れる」と言われ深く傷ついたことや、「かわいそうだ」と見られ、周りと疎遠になってしまった経験などが語られました。

このほか、「悲しみは消えることがなく、今後もこうした集まりを続けてほしい」といった意見も出ていました。

宮城県の七十七銀行の女川支店で勤務中の息子を東日本大震災の津波で亡くし、意見交換に参加した田村孝行さんは「遺族どうしで集まることで『自分だけではない』と感じることができます。思いを共有することで、心の冷たい部分が温かくなると思います」と話していました。