ウクライナ 東部の激戦地バフムトで反撃か ロシアは警戒強化か

ウクライナは東部ドネツク州の激戦地バフムトでロシア側を押し戻していると強調しています。ロシア国防省もウクライナ軍の戦車部隊が反撃を仕掛けてきたと発表し、ウクライナ側の動きに警戒を強めているとみられます。

ウクライナが大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示す中、ゼレンスキー大統領は12日、イギリスのスナク首相と電話会談を行ったと発表しました。

会談では、イギリスが新たに供与した巡航ミサイル「ストームシャドー」に対して「ウクライナ側の能力を大きく向上させた」と謝意を示し、今後の協力についても意見を交わしたということです。

こうした中、ロシアが掌握を目指してきたウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトについて、ウクライナのマリャル国防次官は12日「われわれは今週バフムトでひとつの陣地も失わなかった。守備隊は2キロ前進した」と発表し、ロシア側を押し戻していると強調しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は11日、「バフムト近郊でウクライナ軍は局地的な反撃を行い、前線の一部を突破した可能性が高い」として、ウクライナ側が反撃に成功しつつあると分析しています。

一方、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は12日、バフムト近郊に位置し、ロシア側が掌握するソレダールをめぐり、「ウクライナ軍が1000人以上の兵士と最大40両の戦車で26回にわたり攻撃を試みた」として、ウクライナ軍が反撃を仕掛けてきたと主張しました。

コナシェンコフ報道官は「ロシアの防衛線は突破されていない」と強調しています。

前日の11日には、バフムト近郊や南部ヘルソン州などでウクライナ軍の反転攻勢に向けた動きが出ているとする投稿がSNSで相次ぎ、ロシア国防省は「各地での『突破』についての記述は事実ではない」と異例の発表も行っていて、ロシア側は警戒を強めているとみられます。