ウクライナ 反転攻勢に備える姿勢示す 前線では一進一退の攻防

ロシアの軍事侵攻が続くウクライナでは、東部や南部の前線で一進一退の攻防が繰り返され、ウクライナ側は今後の反転攻勢に備える姿勢を示しています。

ウクライナ軍の参謀本部は、11日も国内の9つの州に対してロシア軍の砲撃や空爆が行われ、東部のルハンシク州や南部のザポリージャ州ではそれぞれ100回近い攻撃を受けたとしています。

一方で、ウクライナ軍は各地でロシア側の部隊の前進を食い止めたとしており、マリャル国防次官は12日「敵は計画の遂行に失敗し大きな人的損失をこうむった」とSNSに投稿しました。

ゼレンスキー大統領は11日、新たに公開したビデオメッセージで「今週1週間、国の防衛に大きく貢献した兵士と部隊に感謝したい」と前線の兵士や国民を鼓舞し、今後の反転攻勢に備える姿勢を示しました。

イギリス国防省は12日の分析で、ウクライナが今後、攻勢に転じた時、黒海に展開するロシア海軍の艦隊が巡航ミサイルを発射して、攻撃を妨害するという予測を示しました。

そのうえで「ウクライナへの侵攻が当初の予想よりもはるかに長期化したため、こうした高価な兵器をどのように使うべきか、ロシア軍の指揮官は頭を悩ませている」として、ロシア側の深刻な兵器不足を指摘しています。