“南アフリカ ロシアへ武器と弾薬を提供” 駐在の米大使が指摘

南アフリカに駐在するアメリカの大使は、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに、南アフリカから武器と弾薬が提供されたと指摘しました。これに対して南アフリカ側は「疑惑を裏付ける証拠はない」と否定し、独立した調査委員会を設けて事実関係を調べるとしています。

南アフリカに駐在するアメリカのブリゲティ大使は11日、地元メディアに対し、南アフリカ南部ケープタウン近くにある海軍基地でのことだとして「去年12月、ロシアの貨物船に武器や弾薬が積み込まれて、ロシアに運ばれたと確信している」と述べ、ロシアに南アフリカから武器などが提供されたと指摘しました。

これに関連してアメリカ国務省のパテル副報道官も11日、「深刻な懸念を抱いている。複数の南アフリカ当局者に懸念を直接伝えている」と述べました。

これについて、南アフリカ大統領府は11日に声明を出し「大使の発言は、両国の協力を損なうものだ。疑惑を裏付ける証拠はない」と否定し、独立した調査委員会を設けて事実関係を調べることを明らかにしました。

南アフリカは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻について中立の立場だとしてきましたが、ことしの2月ロシアと中国とともに合同の軍事演習を行い、国内からはロシア寄りの立場を示したとして批判も出ていました。