カメラは長井健司さんのもの 映像は“編集された可能性高い”

2007年にミャンマーで当時の軍事政権に抗議するデモの取材中に銃撃され死亡した、ジャーナリストの長井健司さんのものとみられるビデオカメラとテープが、先月返却されたことを受けて、長井さんが所属していた会社の代表が12日、都内で会見しました。これまでの検証で、いずれも長井さんのものだとしたものの、撮影された映像は編集されている可能性が高いなどとして、真相解明が必要だと訴えました。

長井さんのものとみられるビデオカメラとテープは、ミャンマーのメディアが入手したとして先月、遺族に手渡され、長井さんが所属していた会社が詳しく調べていました。
会見でAPF通信の山路徹代表は、検証を進めた結果、いずれも会社が把握している製造番号などと一致したことから、「長井さんのものと裏付けられた」と述べました。

一方で、当時現場を撮影していた人から入手した映像などと比較したところ、長井さんが撮影しているはずの銃撃された直後の映像などが含まれていないほか、これまでの長井さんの仕事ぶりから、映像が5分ほどしかないのは不自然で、編集された可能性が高いと指摘しました。

また、カメラの部品の一部がなくなっていて、使い込まれたあとがあるとしています。

会社は撮影された映像を公開して今後も検証を続けるとしていて、カメラやテープを近く警察に提出する予定だということです。

山路代表は「ビデオカメラが返ってきたのは大きな前進だが、手放しでは喜べない。まだ解決されていない疑問点が残っていて、事件は終わっていない」と述べて、引き続き真相の解明が必要だと訴えました。