防衛費増額法案審議 財務金融委員長の解任決議案 衆院で否決

防衛費増額の財源確保に向けた法案審議をめぐって、立憲民主党と共産党が提出した衆議院財務金融委員長の解任決議案は、12日の衆議院本会議で採決が行われ、与党などの反対多数で否決されました。

政府・与党が今の国会の重要法案の1つと位置づける、防衛費増額の財源確保に向け「防衛力強化資金」を創設するなどとした法案は、衆議院財務金融委員会で審議が行われていて、立憲民主党と共産党は、与党側が提案した10日の採決を阻止するため、自民党の塚田委員長の解任決議案を提出しました。

決議案は12日午後の本会議で審議され、立憲民主党の階猛氏は趣旨弁明で「法案は明らかな欠陥法案で、塚田委員長は与党が数の力で法案を成立させる事態を容認するという、委員長としてあるまじき行動に出た。速やかに退くべきだ」と述べました。

これに対して、自民党の青山周平氏は討論で「塚田委員長は、長時間の審議を経て結論を出す当然の職責を果たそうとし、解任は筋違いだ。旧態依然とした日程闘争に拘泥する一部野党の国会戦術は時代遅れと言わざるをえない」と反論しました。

このあと採決が行われ、解任決議案は、自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。

これを受けて、財務金融委員会の理事懇談会が開かれ、来週16日に野党側の質疑を行ったうえで、法案の採決を行うことで与野党が合意しました。

与党側は、委員会採決のあと、来週中に本会議でも採決して衆議院を通過させる方針です。

一方、野党側は、解任決議案への対応は分かれましたが、法案については、増税による財源確保が前提となっているとして一致して反対する構えです。

れいわ 大石共同代表「たたかう野党の復活を」賛成票投じる

衆議院本会議での記名投票による採決で、れいわ新選組の大石共同代表は、ほかの議員の投票が終わったあとも投票しなかったため、細田議長に促されて登壇しました。

大石氏は、岸田総理大臣の写真に「NO!」と書かれた紙を掲げ「もっと本気で体を張ってたたかう野党の復活を」と叫んだあと、解任決議案への賛成票を投じました。

大石氏は、ことし2月の本会議での対応をめぐって、議院運営委員長から厳重注意を受けています。