小学校の校庭で児童が大けが 地面からくぎの一部 東京 杉並区

東京 杉並区の小学校の校庭で先月、児童が転倒した際に地面からくぎの一部が突き出ていて、ひざを切る大けがをしたことがわかりました。
くぎは運動会や授業で目印などとして使われたあと、放置されていたものとみられ、区の教育委員会は小中学校などに緊急点検を要請し、対応を求めています。

杉並区教育委員会などによりますと、先月13日、区立荻窪小学校の校庭で体育の授業中に児童が転倒した際、地面からくぎの一部が突き出ていて、左ひざを切る大けがをしました。

くぎは長さ12センチほどで、このうち地面から数ミリが突き出ている状態でした。

このため、学校は校庭の使用を禁止し、業者に依頼して金属探知機で調べたところ、あわせて544本のくぎやフックが見つかりました。

くぎなどはこれまでに撤去され、校庭は使える状態になっているということです。

これらのくぎやフックは、運動会や体育の授業で整列する際の目印などとして打ち込まれ、学校では行事や一連の授業が終わったあと抜くことになっていたということですが、見つかったものの多くは長期間、放置されていたとみられます。

荻窪小学校の西脇裕高校長は「安全点検が不十分だったことを反省し、申し訳なく思っています。今後はくぎを使用せずに対応するなど安全に努めます」と話しています。

区の教育委員会はこれを受けて小中学校などに緊急点検を要請し、対応を求めています。

緊急点検で544本のくぎやフック見つかる

杉並区立荻窪小学校の校長によりますと、荻窪小学校の校舎は14年前の平成21年に現在の場所に移りました。

校舎の移転の際に校庭も整えられたため、くぎが打ち込まれたのはその後の十数年の間のことだとみられています。

くぎは運動会や体育の授業で整列する際やダンスの立ち位置、ハードルを置く位置などの目印として打ち込まれることが考えられるということです。

くぎは運動会や一連の授業のあとには撤去することになっていましたが土がかぶるなどし、見落とした可能性もあるとしています。

学校では日々の点検が不十分だったこともあり、今回の緊急点検の結果、544本のくぎやフックが見つかりました。

多くは腐食するなど長期間、放置されたものとみられていて、学校は今後、くぎを使わずに対応するなど、安全管理に努めるとしています。

杉並区教育委員会「43の学校と園で1350本のくぎなど見つかる」

杉並区の教育委員会によりますと、区立の小中学校や幼稚園などの校庭や園庭の緊急点検では、これまでに荻窪小学校を含め、合わせて43の学校と園で速報値として1350本のくぎなどが見つかったということです。

いずれも、すでに撤去したということです。

教育委員会は「今月から多くの学校や園では運動会などが予定されていることから、その前に再度の点検をするよう通知した。安全確保に万全を期したい」としています。

ほかの自治体でも緊急点検

杉並区の小学校で子どもが大けがをしたことを受けて、ほかの自治体でも緊急の点検が進められています。

このうち足立区は、運動会を控える学校も多いことから11日付けで区内のすべての小中学校に校庭の安全点検を行うよう通知を出しました。

過去に取り付けたくぎやフックが埋まっていないか、教職員が校庭に横一列に並んで一斉に確認するなど点検の具体的な方法も示したということです。

足立区では、今月23日までに報告を求めるとともに、今後保育園なども含め金属探知機で点検するなど追加の対応を調整しているということです。

また、世田谷区では、これまでも月に1回は校庭の安全点検を行うようにしてきましたが、今回の件を受けて改めて校庭の点検を依頼したということです。

このほか、豊島区でも土の校庭の学校に点検を依頼しました。