米タイム誌 岸田首相の「日本を軍事大国に変える」記述を変更

アメリカの雑誌「タイム」は、岸田総理大臣にインタビューした特集記事を9日、ウェブサイトで公開しましたが「日本を軍事大国に変える」とする記述をその後、変更しました。
タイム誌は「さまざまな理由でウェブ版のタイトルや記事は更新することがある」と説明しています。

タイム誌は、先月下旬に岸田総理大臣にインタビューを行い、その内容を特集記事として9日、ウェブサイトに公開しました。

当初、ウェブ版の特集記事の中のタイトルは「岸田総理大臣は、平和主義だった日本を軍事大国に変える」としていましたが、その後「岸田総理大臣は、平和主義だった日本に国際舞台でより積極的な役割を持たせようとしている」と変更しました。

一方、出版される雑誌の表紙には「岸田総理大臣は何十年も続く平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と書かれていて、この記述は変更されていません。

これについてタイム誌は、NHKの取材に対し「さまざまな理由でウェブ版のタイトルや記事は更新することがある」と説明する一方「出版される雑誌の表紙や記事は変わっていない」とコメントしました。

林外相「表題と中身にかい離あることを指摘」

林外務大臣は記者会見で「インタビューの中で岸田総理大臣からわが国の置かれた厳しく複雑な安全保障環境や防衛力強化、経済政策など幅広い事項について政府の立場を説明した。結論部分では世界の分断を防ぐ歴史的な役割を担う指導者という論調になっており、記事全体として見れば説明が反映されたものと受け止めている」と述べました。

そのうえで、外務省としてタイム誌側に何らかの対応を行ったのか問われたのに対し「表題と中身にかい離があることを指摘したが、詳細なやりとりは差し控えたい」と述べました。