東急東横線と目黒線 全線で運転再開 約16万7000人に影響

東急東横線と東急目黒線は、落雷の影響で信号設備が故障したため、11日夕方から運転の見合わせが続きました。
運転見合わせから4時間半ほどたった午後8時半までに全線で運転を再開しましたが、合わせて300本余りの列車が運休し、およそ16万7000人に影響が出たということです。

東急電鉄によりますと、東急東横線は、落雷の影響で信号設備が故障し午後4時ごろから最大で一時、全線で運転を見合わせたほか、東急目黒線も同じ落雷の影響で、午後4時ごろから最大で一時全線で運転を見合わせましたが、トラブルの発生から4時間半ほどたった午後8時半までにすべての区間で運転再開となりました。

東急電鉄によりますと、自由が丘駅付近で発生した落雷で、列車が駅などに近づくと速度を自動的に下げて停止させる装置と、踏切を制御するシステムがそれぞれ被害を受け、正常に作動しなくなったことが原因とみられるということです。

一連の運転見合わせで合わせて332本が運休となり、およそ16万7200人に影響が出ました。

東急電鉄は「長時間にわたり運転見合わせとなり心よりおわびいたします。落雷対策はとっていましたが信号設備に不具合が発生した原因などを詳しく調べ再発防止に努めます」としています。

これまでの経緯は…

渋谷駅改札前 数十人ほどが運転再開待つ

東急東横線の渋谷駅の改札前では、午後5時半ごろの時点で、数十人ほどの人が運転再開を待っていました。

運転見合わせを伝える電光掲示板を見つめる人や、壁際に座り込んで待つ人の様子が見られたほか、駅員がスピーカーを使って運行状況を説明したり、振り替え輸送を案内したりしていました。

落雷目撃したという高校生「バーンという爆発音」

東急東横線の自由が丘駅のホームで落雷を目撃したという高校3年生の男子生徒は「当時は雨が降っていて、駅の南側の空がかなり明るくなったと思うと、その直後にバーンという爆発音のような音が聞こえました。ホームに入ってきた電車に雷が直撃したのではないかと思うほど音は大きく、大変驚きました」と話していました。

男子生徒が落雷の1分後に駅の上空を撮影した画像では、空が暗くなっているように見えます。

男子生徒によりますと落雷は15分ほどの間に複数回あったということで、「当時はホームにいた周りの乗客も混乱していて、ざわついていました」と話していました。

中目黒駅 多くの人で混雑

午後5時半頃、東急東横線の中目黒駅では、改札前や駅の構内で多くの人が運転再開を待っていて混雑していました。

改札前では駅員が、拡声器を使って駅を利用する人たちに運行状況や迂回方法を知らせたり、利用する人たちからの問い合わせに答えたりしていました。

40代の女性は「区役所から自宅に帰ろうとしたら電車が止まっていて驚いた。もう1時間ほど待っていて、このまま再開を待つか、バスを2本乗り継いで帰るか迷っています」と話していました。

自由が丘駅~都立大学駅間の踏切 遮断機あげる

東急東横線の自由が丘駅と都立大学駅の間にある踏切では、午後6時前の時点では一時的に遮断機が降りたままの状態が続いていました。

その後、鉄道会社の職員2人が線路内に入って安全を確認したあと、職員が手で遮断機をあげ、待っていた車や歩行者を通す様子が見られました。

この踏切では午後6時半現在で職員が安全を確認しながら、遮断機はあがったままになっています。

自由が丘駅前 タクシー待ちの長い列

東急線の自由が丘駅前では、タクシーを待つ人の長い列ができていました。

通学で東横線を利用しているという神奈川県に住む大学1年生の女子学生は「もう1時間はタクシーを待っています。ふだんなら家に戻っている時間なので、早く帰りたいです」と話していました。

仕事帰りだという23歳の会社員の女性は「初めてのことでとまどっています。バスも調べましたが、どこかしらで東横線を利用する必要があり、タクシーしかないかなと思い並んでいます。雷が落ちてこんなに止まるとは思わず、大変だなと思います」と話していました。

26歳の会社員の男性は「大変だし疲れますが、タクシーに乗らないと帰れないので、がんばって並ぼうと思います。こんなに長く滞在することになるとは思わず驚いています」と話していました。

関東甲信は大気不安定

気象庁によりますと、関東甲信は上空の寒気の影響で大気の状態が不安定になっていて11日昼すぎから関東南部などの各地で雨雲が発達し、落雷が観測されています。

気象庁のレーダーでは11日午後2時すぎから東京・多摩地方などで落雷が観測されはじめ、雨雲は東よりに移動して午後3時半すぎには東京23区などでも観測されているのがわかります。

その後、午後5時すぎにかけて東京や神奈川県を中心に落雷が相次いでいました。
▽関東甲信では11日夜夜遅くにかけて、
▽伊豆諸島では12日の明け方にかけて大気の不安定な状態が続く見込みで、
気象庁は、広い範囲に雷注意報を発表して落雷や急な強い雨、それに「ひょう」に注意するよう呼びかけています。

警告灯点滅する様子を撮影した男性「こんなことは人生で初」

東急東横線のホームから線路脇の警告灯が激しく点滅する様子を撮影した20代の男性がNHKの取材に応じ、運転見合わせに至る状況を語りました。

午後4時ごろ男性は自由が丘駅のホームに停車中の電車内にいたということで「横浜から帰宅する途中でしたが田園調布駅付近で雷の音が激しくなり、自由が丘駅に着いたころには、大きい爆発音とともにあたりが突然真っ白になりました。何が起きたか分からず、まわりの乗客も驚いた様子であたりを見回していました」と当時の様子を語りました。

その後、車内には安全点検を行うため停車しているといったアナウンスが流れ、男性は電車を降りホームから線路の方向をスマートフォンで撮影しました。

映像では線路脇にある警告灯の緑のランプが激しく点滅していて、雷の音も聞こえます。

男性は「踏切が故障したという駅員の放送もあって雷が近くに落ちたのだと知りました。こんなことは人生で初めての経験で踏切が故障するのはただごとではないと思いました」と話していました。